【ロボット】ペンタセン・トランジスタで感じるロボット

このエントリーをはてなブックマークに追加
1pureφ ★:04/07/01 02:06 ID:???
ロボット「感覚」を得る−電子工学の皮膚をまとって高度な触覚を持つ機械

 もうすぐロボットがもっともっと感覚を持つようになるだろう。日本の科学者により私たちと
同じような触覚を持つ電子工学の皮膚が開発された。
 「触覚情報の認識は次世代のロボットにとって大変重要です。」と、東京大学でこの皮膚の
開発に当たった染谷隆夫助教授は言う。触れているという感覚はものを認識したり、繊細な作業を
こなしたり、衝突を防ぐのを助ける。しかし、ロボットに視覚や聴覚を持たせる研究はこれまで
たくさん行われてきたが、触覚についてはまだまだ開発途上だ。

 私たち自身の皮膚は触覚受容器のバッテリーを備えており、圧力により神経信号を作り出す。
弱い圧力に対しては、主にマイスナー小体と呼ばれる層状の組織の小さな球形の器官がその認識を
担っている。
 染谷らは、この動作をフッ化ポリビニリデンのようなプラスチックで模倣した。これらのプラス
チックは圧縮された時に電界を生成し、コンピュータのキーボードや触れることで動作を開始する
スイッチなどの製造に使われてきた。
 しかし、ロボットの皮膚に本物の触覚を持たせるためには、ただ単に圧力を感じるだけではなく、
どこにその圧力を受けているのかを知る必要がある。したがって、皮膚は圧力を受けたそれぞれの
センサーが信号を送りだせるように覆われていなければならない。
 染谷らは導電性グラファイトの粉をしみ込ませたゴムのポリマーのシートからなるそのような
皮膚を作り上げた。シートの電気抵抗は圧縮時に変化し、その下に埋め込まれたトランジスターで
検出される。

 技術上の大きな課題は装置全体を本物の皮膚のように十分柔軟に作ることだった。そうでないと
ロボットの手足にうまく巻き付けることができない。従来のマイクロチップで使われているトラン
ジスタは堅くもろいシリコンでできているが、染谷らはペンタセンと呼ばれる柔軟な有機材料で
これを作成した。彼らのセンサーはそれぞれが2.5mm角の32x32個のトランジスターの並びから
できているが、必要があればこれより100倍小さくすることも可能だという。
 この結果、皮膚はトランジスタにダメージを与えることなくかなり鋭角に曲げることができ、
2mmの棒に巻き付けたときでもきちんと機能し続ける。

 もちろん、私たちの触覚は圧力だけを検出しているわけではく、温度や湿度といったものも検出
しており、この日本の研究グループはそれらを検出する感覚も導入できないかと考えている。また、
伸縮性も足りていない。紙のように折り曲げることはできるが、それほど伸び縮みできるわけではない。

 「このような良い装置無しでは、この先に研究を進めていくのはとても難しい。」とハーバード
大学でロボットの触覚工学を研究しているRobert Howeは述べた。しかし、今回の成果の今後への
影響についてはまだ少し慎重な見方を示した。「これまでたくさんのそのようなデバイスが発表されて
きたが、どれもまだまだ研究室レベルに留まっているようだ。」
 一方、染谷はこの皮膚をロボットだけでなくスポーツ、安全保障や医薬といった分野への応用が
可能だと考えている。圧力センサーを備えたじゅうたんは、足の形から家族と侵入者を見分けるのに
使えるし、老人が倒れたことを検出できるだろう。触覚マットは屋内運動場での陸上競技者の運動能力の
測定や、車を運転中のドライバーの身体状態を測定したりすることにも使えるだろう、と彼は語った。

Robots get sensitive
Electronic skin could give machines a sophisticated sense of touch.
Nature Science Update30 June 2004: PHILIP BALL
http://www.nature.com/nsu/040628/040628-14.html

Engineering: A large-area, flexible pressure sensor matrix with organic field-effect transistors for artificial skin applications
Takao Someya, Tsuyoshi Sekitani, Shingo Iba, Yusaku Kato, Hiroshi Kawaguchi, and Takayasu Sakurai
*Quantum-Phase Electronics Center, School of Engineering, University of Tokyo, Tokyo 113-8656, Japan; and Center of Collaborative Research, University of Tokyo, Tokyo 153-8904, Japan
Published online before print June 28, 2004
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0401918101
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0401918101

Takao Someya Group
http://www.ntech.t.u-tokyo.ac.jp/index.html.ja
2トコノイタンハ ◆WfuO0J/v7s :04/07/01 02:07 ID:HHKKuRxV
2
3名無しのひみつ
東大ごとき田舎大学の研究を取り上げるとは、Natureも堕落したな。