リスはヘビに対して赤外線を使う。しっぽの温度を上げて捕食者かもしれない相手を脅すのだ。
威嚇しているガラガラヘビに出会うとあなたも私も恐怖で凍りついていしまうかもしれない。
しかし、カリフォルニアジリスはこれとは反対のアプローチをとっている。しっぽを加熱して
ヘビが攻撃してこないように警告するのだ。
「動物が赤外線、あるいは、熱を使った信号を送っているのが分かったのは初めてだと思う」と、
この発見をメキシコ、Oaxacaで行われた第41回動物行動学会で発表したカルフォルニア州立
大学デービス校のAaron Rundusは言う。
ガラガラヘビはリスにとっていつもつきまとう脅威だ。子供たちをしばしばその家族から奪う。
これはヘビと大人のリスとの間に激しいにらみ合いを起こさせる。リスは砂を蹴り、激しく尾を
打ち振って捕食者を服従させようと試みる。
ヘビは顔の孔器と呼ばれる器官を使って熱を探知することで狩りをしている。新しい発見によれば、
リスはヘビのこの感覚を利用してヘビに分かるようにメッセージを送っていることを示している。
■温かくなるんです
捕まえてきた野生リスをガラガラヘビと一緒に飼育かごの中に入れ、その様子を赤外線カメラを
使って録画したところ、リスが尾を前後に脅すようにムチ振るに従い、尾がだんだんと暖かく
なっていくのが観察された。
リスは毛を逆毛だたせて皮膚を露出させることで、表面温度を上げており、また、同時にしっぽ
表面の血管を拡張させてもいるらしい。さらに、孔器を持たないジネズミヘビと一緒にした
ときにはしっぽは発熱しなかったことから、リスは異なる捕食者をきちんと見分け、
それに応じて対応を変えていた。
「非常に興味深い、と思う」と、カナダのマニトバ大学Winnipeg校でジリスを研究しているJim
Hare。「そんなことしてるなんてちっとも気づかなかったよ。ジリスが捕食者によって異なった
やり方で仲間に注意を呼びかけることは知ってたんだけどね。」
■ロボリス出動!
この熱のシグナルは攻撃を受けやすい子供から注意をそらす機能を果たしているようだ、とRundusは
考えている。あるいは、単にヘビに対して大人のリスの存在を示しているだけかもしれない。しかし、
ガラガラヘビが大人のリスを襲うことはまれだが、だからといってリスがやる気満々、というわけ
でもない。戦いを挑めばそこには死や重症を負うことが待っているだけだと容易に想像できる。
Rundusは放熱していないリスに対してヘビの方が違った対応を取るかどうか確認しようとしたが、
これは思ったより簡単ではなかった。「しっぽを断熱材で巻いたり、注射とかもしてみたんだけど、
そうするとリスもそうしないときと同じように振る舞ってくれなくてね。」
最後に、彼は最近制作したしっぽに発熱体を仕込んだロボリスについて触れて発表を結んだ。
「もうそろそろ結果が出るころかも。思い通りに行くといいんだけど」
参照元 Nature Science Update 6/16
Squirrels use infrared against snakes − MICHAEL HOPKIN
http://www.nature.com/nsu/040614/040614-3.html Seeker open....