★漂流する日本の宇宙政策、責任を巡って打ち上げ再開にゴーサインが出ず
H-IIAロケットの打ち上げ再開に向けた動きが奇妙な袋小路にはまり込んでいる。
昨年11月29日に起きた6号機打ち上げ失敗は、事故原因究明が順調に進み、
2月末に事故調査報告書も完成していた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、
文部科学省・宇宙開発委員会が報告書を了承すれば、打ち上げ再開に向けて
具体的に動き出す準備をすませており、事故から1年目の今年11月に、次の
H-IIAを打ち上げる予定を立てていた。
ところが、政治の側から「事故再発を防ぐための組織見直しが必要」「事故があった
場合の責任明確化を」という声が出て、打ち上げ再開への動きは封じられてしまった。
宇宙開発委員会では「事故再発を防ぐための体制を構築するため」という名目で
「特別会合」という一連の会議が組織され、さらには「H-IIAロケット再点検専門
委員会」という会合までもが始まった。そこでの議論はどんどん枝葉の細かい問題に
はまりつつある。現状ではいつになったら議論を終えて打ち上げ再開が可能になるのか、
全く分からない。
これらの動きの底流から見えてくるのは、政治も宇宙開発委員会も「打ち上げ失敗の
責任を取りたくない」と考えているらしいことだ。(以下略)
nikkeibp
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/312344 ・宇宙航空研究開発機構 JAXA
http://www.jaxa.jp/index_j.html ◆H-IIAロケット6号機 事故原因究明情報
http://www.jaxa.jp/news_topics/hot_topics/2004/topics_200405_j.html