シカゴ発――シカゴの民間不妊治療クリニック、
http://www.reproductivegenetics.com/ 生殖遺伝学研究所(RGI)は、
遺伝的欠陥のあるヒトの胚から、12の胚性幹細胞(ES細胞)株を分離することに成功したと発表した。
深刻な遺伝病の治療法研究に寄与する可能性を持つ成果といえる。
RGIのユーリー・バーリンスキー所長が9日(米国時間)に語ったところによると、これらの細胞株は、
RGIで着床前の遺伝子スクリーニングを受けた複数のカップルから寄付された胚のうち、
未使用のものから採取されたという。
これらの胚は、2種類の筋肉ジストロフィー、ある種の血液病、
そして精神発達遅滞の原因となる障害など、合計で7つの疾病の要因となる遺伝子変異を持っていた。
ES細胞には他の細胞にはない特別な性質があるため、こうした胚からES細胞を分離して詳しく調べることで、
遺伝病についてより深い知識が得られ、新しい治療法の開発に役立つだろうと専門家は述べている。
http://www.isscr.org/ 国際幹細胞研究学会(ISSCR)会長のレナード・ゾン博士によると、
ヒトの胚からはこれまでに数十のES細胞株が作られているものの、
今回の例は特定の遺伝病を持った胚から作られた初のES細胞株だという。
「この分野にとって、大きな進歩だ。こうした株が入手可能になったことで、
基本的な疾病の生物学的仕組みについて多くのことを学べるかもしれない」とゾン博士は語った。
ゾン博士は、ボストン小児病院で幹細胞研究を行なっている。
引用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040611-00000008-wir-sci