■父親のいないマウス
哺乳動物では、生存可能な子孫を作るには、一般に両親双方からのゲノムが必要とされる。
しかし、「インプリンティング」を受けた遺伝子の発現を変化させてやると、
父親からのゲノムはなくても済むらしい。
動物の有性生殖では、それぞれの個体は両親からそれぞれひとそろいの遺伝子を受け継ぐのが
普通である。だが、植物や大部分の動物では単為生殖によって、父親由来の遺伝子はいっさいなく
母親由来の遺伝子だけをもち、なおかつ生存能のある子が生まれる。
その例外が哺乳類で、父親が必要とされる。これはなぜなのか。
本誌4月22日号p. 860で河野たち1は、ゲノム刷り込み(ゲノム・インプリンティング)という現象が
父親なしの生殖を阻む障壁であることを示す動かぬ証拠を提示している。
(以下略)
http://www.natureasia.com/japan/digest/0406-1.php
>>3 そうです。
父親のいないマウス
原文:Genomic imprinting: Mice without a father
Nature Vol. 428(809)/22 April 2004
1. Kono, T. et al. Nature 428, 860-864 (2004).
2. Surani, M. A., Baron, S. C. & Norris, M. L. Nature 308, 548-550 (1984).
3. Barton, S. C., Surani,M.A.& Norris,M.L.Nature 311, 374-376 (1984).
4. Thorvaldsen, J. L., Duran, K. L. & Bartolomei, M. S. Genes Dev. 12, 3693-3702 (1998).
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研究代表者:東京農業大学 河野友宏教授
【単為発生マウスの誕生に成功】平成16年4月22日
http://brain.naro.affrc.go.jp/tokyo/marumoto/up/press/newpage1.htm