「相補性とガイア理論」

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71因果律と流体のアナロジー
因果律とは自然に関する因果の法則であり、因果とは原困と結果に規則的なつながりのあること、
原因と結果とが一定の原則に従って継起することをいう.この語はインド思想に由来しており、
自然現象や人間の行為とその結果についての因果関係を論ずることはインド思想全体を通じて著しい
特色の1つとなっている.輪廻の思想が確立するにおよんでは、人間の善悪の行為が次の生涯における
幸・不幸を決定する要因であると見なされ、インド思想は仏教も含めて全て輪廻における因果を
道徳理念の基本ににおくようになった.これは過去の行為の決定性に重点を置けば一種の宿命論になるが、
未来の生涯を規定するものが現在の自己であるという観点から見れば、個人の道徳的責任を強調する
努力主義の倫理観となる。ほとんどの思想体系はこの2種が交錯して成り立っているが、森羅万象を全て一者
(神)が司るといった西洋思想とはやや趣を異にする.しかしこれも一者(神)が全ての因果律を支配し、
すなわち全ての事象の原因系となり、人は神の恵みを享受する結果系ととらえれば、西洋思想をも大きな
因果律の系に組み込むことが可能である.
72ご冗談でしょう?名無しさん:2001/01/06(土) 17:26
今日では因果律とは主に自然科学上の諸法則を指すようになり、因果応報といった概念上の意味
あいはやや薄くなった。自然科学は実験による証明を行って初めて価値あるものとなるから、
実験可能な諸法則(例えば万有引カの法則など)は自然科学の発展にとって極めて重要な因果律で
あったと言える.しかし因果応報や輪廻といった因果律は科学の目で捉えることはできず、
従って自然科学の特質からその中に取り込めずにいた.だが古来、特に東洋において、人はこれら
の因果律を自らの内的観察、もしくは直感に基づいて既に知覚していた。自然科学は客観的証明
可能事実に関しては揺るぎない基盤を築いたが、これらの点については大幅な遅れをとっていたのだ。
73ご冗談でしょう?名無しさん:2001/01/06(土) 17:27
※ アインシュタインの相対性理論やハイゼンベルグの不確定性原理などは、
実験から観測者の影響を排除できないという点で、自然科学がとってきた手法の限界を示すものである

故に我々は、これまで自然科学が乗り越えられなかった壁を越えていくため、実験による仮説の証明と
いった手法が敢えて取らない。あくまで数学的、理論的考察、物理的洞察から、因果律と世界の謎を解
き明かしていきたいと思う。完全なる理論であれば、いつか必ず証明される日が来るものと信ずる。
74ご冗談でしょう?名無しさん:2001/01/06(土) 17:29
因果律は原因系から結果系へ流れる。時間は過去から未来に流れる。
時間を河の流れになぞらえて考えることが出来る。原因系から結果系へと流れてきた因果律は、
さらに下流の因果系となり、液体素子が移動していくように因果律は伝達される。
我々はこの液体素片を事象素子と名付けた。すなわち因果律の流れとは、事象素子の川を渡って
因果律が伝達されることを指すのである。

因果律が流体であるのならば、我々の知る流体の持つ特質を因果律が持っていると考えるのは
自然だろう。周知の通り、液体(例えば水)には層流と乱流があり、層流は安定した規則的な運動、
乱流とは強い非線型性のある、分子レベルよりはるかに大きいレイノルズ数Reとよばれる不安定力
と安定力の比(もしくは慣性項と粘性項の比:平均流の速度と粘性により決定される無次元数)
で表される(Re>103で乱流、水の流れなどはほとんどの場合は乱流)。
そこで因果律にも、層流状態と乱流状態を仮定してみよう。
75ご冗談でしょう?名無しさん:2001/01/06(土) 17:30
因果律の層流状態と乱流状態(事象の層流的発現)とは、因果律がその系全体を支配する諸法則
(場の方程式)に従って伝達されていく(事象が発現しにくい)状態であり、現観測点から遠く離れた
事象の発現も比較的簡単に見渡せる。先に示した世界像の基礎方程式がその系を支配する場の方程式であり、
領域の境界条件を与えることによって、系内の因果律の伝達は決定される(それ故、先に示した基礎方程式
は因果律の層流状態のものである)。

それに対し因果律の乱流状態(事象の乱流的発現)とは何か。これは我々の知る乱流の性質を考えれば明ら
かになろう。乱流は様々な大きさの渦をその流れの中に含み、1番大きい渦は流体力学的不安定により発生し、
平均流から運動エネルギを奪う。一番大きい渦もそれ自体不安定で、より小さい渦になり、運動エネルギを
渡していく。だんだんと小さくなった渦は、最後には粘性散逸により壊され、熱に変わる。それ故乱流を維持
するには、どんどん運動エネルギを供給しなければならない。