このおろかな私めに、

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1GaN
どうしてスピンが整数+1/2ならフェルミ粒子、
整数ならボーズ粒子になるかを解説している教科書を、
ご存知の方がいれば教えてください。
分かりやすいけど詳しくても、難解だけど詳しくても
どちらでもかまいません。
あ、でも英語だと大変だからなるべく日本語のほうが良いんですが…。
ちなみにこれが学校の宿題ではありません。個人的に統計力学の本を読んでいたらふと疑問に思ったもので。
2名無しさん:2000/06/16(金) 00:45
Steven Weinberg "The Quantum Theory of Fields" Vol.1
に完璧な解説があります。
日本語版もでてるのでそっちを読むのもいいでしょう。
ただかなりの背景知識が要求されるのでがんばってください。
3GaN:2000/06/16(金) 03:21
おぉ!!即レスありがとうございます
明日学校の図書館で探してみます
やっぱり場の量子論に踏み込まないとだめなんですね
背景知識としては他の場の量子論関係の教科書を読破するぐらいのもの
が必要なんでしょうか
私は量子力学は多粒子系の取り扱い方を講義で習ったくらいなもんで
4名無しさん:2000/06/16(金) 03:47
原理的には量子力学と特殊相対論と群論とLie代数が
わかっていれば読める本なのですが、

実際にはほかの本でQEDのファインマンダイアグラムが
計算できるくらいには場の量子論を知っていないと
あの本を読みこなすのはきついかと思います。

なんせ非常にフォーマルな本なので・・
素晴らしい教科書なのですが。
(もっとも3巻は非常に現象論的な本ですがね)

5名無しさん:2000/06/16(金) 10:15
粒子のいれかえに対して対称関数になるのがBOSE粒子、反対称関数になるのが
FERMI粒子。どこの量子力学の本見ても載ってる。
6>5:2000/06/16(金) 10:30
だから、そのこととスピンの関係を聞いてるんでしょ。
7名無しさん:2000/06/16(金) 10:49
私は素粒子系の本は読んだこと無いけど、スピンと統計性の関係について
色々説明する論文があるのは知っている。
今のところ、簡明に満足できる説明は見たことがない。

本当に場の理論で仮定無く(あるいはより基礎的な仮定から)導き出せるのかな?
もう少し簡単な導き出し方はないものか?
82:2000/06/16(金) 13:33
ワインバーグの教科書にずばり書いてますよ。
>スピンと統計性の関係
特殊相対論+量子力学+クラスター分解原理
+S行列のローレンツ不変性
から必然的に出ます。
9名無しさん:2000/06/16(金) 13:42
+クラスター分解原理
+S行列のローレンツ不変性

なんていう、素粒子とは関わりのない者にとっては遠い話までいかないと
理解できないもんですかねぇ?
10名無しさん:2000/06/16(金) 15:06
 物性の者ですが、クラスター分解原理とは、ブロックード・ドミニシスの
定理みたいなものなのでしょうか。
118:2000/06/16(金) 15:17
特殊相対論+量子力学
で、スピンの存在は出ますがそれだけでは
統計性まで説明できないかと思います。
(ワインバーグを読んだ限りの知識では少なくとも無理かと。)

ブロックードミニシス定理って何かは僕は知らないのですが、
クラスター分解原理ってのはぶっちゃけた話
「CERNの実験で何やってようとSLACの実験には影響しない」
ことのようです。(そんな感じの事が書いていたと思う)
詳しくはワインバーグの4章を・・
12名無しさん:2000/06/16(金) 15:49
11番の方に質問なのですが、ディラック方程式でスピンという粒子の新しい
自由度が出て、どうやってそれが「各々の実験の独立性」とかいう話に結びつくのですか?
ちなみにブロックード・ドミニシスの 定理というのは、既約クラスターの展開に関する定理です。
1311
ワインバーグの場の量子論の構築では
まず相対論適量子力学を作り、それを量子化する、という
ふつうのやり方を行わず、いきなり場の量子論を構築します。

まず「ポアンカレ群の既約表現」として量子力学的な
状態を定義する。これで相対論と量子論の融合が終わり
スピンが出ます。(2章)

で次にS行列を定義しそれがローレンツ不変であることを
要請することで、理論の時間発展を「ハミルトニアン密度」で
記述するべきだと示します。(3章)

で、クラスター分解原理を課すと、2章で作った「状態」は
生成演算子を真空に作用した形で書かれるとわかります。
ここで因果律を満たすため、スピンと統計性の関係が出ます。(4章)

・・ってな具合にすすみます。
(読んだのがだいぶまえだから間違ってる点もあるかと思いますが・・)


このアプローチで具体的にスピン1/2の場を構成すると、
それがたまたま「ディラック方程式」なるものを満たしていた、
というのがワインバーグの進み方です。逆なんですね。
非常にエレガントですごいと思いました。