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その時少年は幼児殺害に、ためらいは無かったのか:
1999年の山口県光市母子殺害事件で殺人や強姦致死などの罪に問われ、2008年に広島高裁の
差し戻し控訴審判決で死刑とされた犯行当時18歳だった元少年(30)の上告審判決で、
最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は20日、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。
. *** 暴漢が母親を殺し幼児一人だけになった時、一体誰がその幼児を守るのか ***
この判決は実に意義深いものがある。 それは犯行当時18歳だった元少年の死刑判決であるが、
この殺人犯が少年期の家庭環境は両親の不和と父親の暴力、母親の自殺その後の父親の再婚と、
犯人はかなり不遇な人生を歩んだようだ。
そんな苦悩を背負った少年が何の気迷いからか近所のアパートに押し入った。 その時部屋には母親と幼児の
二人が居た。 少年は母親を暴行しようとして争い殺してしまった。 部屋には幼児一人だけになった。
この少年はその幼児を放り上げて、床に叩き付けて殺した。 この時その幼児は一体誰が守れたのか。
それはこのような、たとえ少年であろうと、その少年が生育期に不遇な環境であろうと、
無垢な幼児まで殺害したなら、社会の制裁は死刑をもって臨むという強い意志を示したことである。
社会が犯罪を裁く時、たとえ犯行が少年によって為されたとしても、その犯行結果によっては死刑をもって
臨むという強い意志が無ければ、今後、生育期に不遇な環境で育った少年が同様の事件を起こし、
同様の事態が生じた時に、犯人に無用の殺傷をためらう気持ちを起こさせる必要があるからだ。
暴漢が母親を殺し幼児一人だけになった時、一体誰がその幼児を守るのか。 それはこのような判決なのである。