>>48 指摘ありがとう。
多分両者とも「自分の前提が『現実』で相手の前提が『非現実』だから説明するまでもない」と思っている状態なのだろうが、冷静な傍観者に対してなら、丁寧に説明しようという気も起きるものだ。
見たところ、前提における主な相違点はふたつあるようだ。
第1に、流体力学とは何であるかについては、
流間君は、物質の力学を「流体小袋」の力学で天下りに置き換えるものと捉えているようだ。
他方、自分を含む非平衡統計物理の専門家は、
大きな自由度をもつ系の運動方程式からゆるやかな変数のダイナミクスを抽出したもの、
というように流体力学をとらえる。 流体要素が主役というわけではない。
第2に、分子運動に関しては、流間君は無衝突の気体分子を考えているようだ。
最初はその点がはっきりしなかったが
>>49には明確に「衝突半径がゼロ」とある。
他方、自分も含めて正統的な立場では、気体に流体力学を適用できるためには
頻繁かつ乱雑な衝突が起きる状況であることが大前提となる。
これは「衝突半径 → +0」とは矛盾しない。 「=0」と「→+0」は違うのだ。
前提条件のうち、第1の点は「勉強しろ」と言うしかないので
>>17のようなことになるが、
第2の点については、どちらの前提がより現実に近いかを考えたらよい。
そう思って読み返すと、
>>11で
> 「現実とかけ離れた」ってww
>
>>10の世界の飛行機は、連続体近似が破綻するような真空に近い環境を飛んでいたりするのか?
と書いているのは全く的確な質問であったわけで、
これに対しては流間君は(
>>13みたいにまぜっかえすのではなく)
「そのとおり! 自分は、気体分子の衝突半径がゼロと見なせる世界で考えている」
と答えれば良かったのだ。
できれば、さらに
「無衝突近似と連続体近似とどちらが現実の世界に近いか、定量的に検討してみよう」
とかいう答えであれば、もっと建設的な話になったのかもしれない。
ちなみに常温常圧の空気では、気体分子は1ミクロンも行かないうちにほぼ必ず他の分子と衝突する。
飛行機サイズの現象を無衝突粒子系で議論しようとするほうが無理があるのではないか。