WTCビル崩壊を語れ

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635ご冗談でしょう?名無しさん
朝日新聞<窓 論説委員から>2010.3.23
〜陰謀論〜
「陰謀論」は魅力的だ。
9・11米国同時多発テロのような歴史的大事件の背景や原因はたいてい気が遠くなるほど複雑だ。
何より、次に何が起きるか予測しがたいことが不安をかき立てる。その点、陰謀論はわかりやすい
筋書きを提供してくれる。次の展開も読めそうな気にさせてくれる。
また、超大国の米国が嫌いな人にとって「米国が被害者」の事件は、自分の世界観と合いにくい。
そこへ「実は米軍や軍需産業が仕組んだ陰謀」などという話が来れば飛びつきたくもなるのだろう。
実際、9・11から半年後、米国への対抗意識が強いフランスで、陰謀論を唱えた本がヒットした。
その後の陰謀論の「論拠」の多くはすでにそこに書かれている。筆者はニュースサイトを運営する
ジャーナリスト。会ってみたら、現場には行っていないという。当時、テロ組織アルカイダのビン
ラディン容疑者自身が犯行を認めるような声明も出していたが「彼も米国の手先なんだ」。
見過ごせないと、雑誌記者らがあらためて現場取材をし、批判本を出版した。ただ、パリ大学の
社会学者は「読者はスパイ小説として消費しただけ。本気で信じていないよ」とさめた見方だった。
最近、米有力紙が社説で、日本の民主党参院議員に、9・11陰謀説の信奉者だとかみついた。
「消費」されたはずの陰謀論がまたぞろ話題になる。ひょっとして、日米関係で何かをたくらむ、
だれかの陰謀では……。
<大野博人>