ここで我々はこの同じ過程を、系 K からみる。それは系 K0 からは z0 の負の方向 に一定の速度 v で動く系である。系 K からみると、その過程は、次のように記述される。
物体Bは、 z方向の正の方向に速度vで動いている。 2つの放射の塊は、K系に対しては、x軸と角度αをなす方向をもっている。 光行差の法則は次をいう。1次近似で、α= v/c (英文は逆数だが直した(訳者))。ここで c は光速。 K0系での考察から、S、S'の吸収によっても B の速度 v は、変わらない。 ここで我々は、運動量の保存則を適用する。系Kのz方向についてである。
I. 吸収前に、B の質量を M とする。 (古典力学に従って) Mv がBの運動量の表式である。 それぞれの塊はエネルギー E/2 をもつから、マックスウエル理論のよく知られた帰結 によって、E/2c の運動量をもつ。厳密に言えば、これはK0についてのSの運動量である。 しかしながら、v が c に対して小さく、K系に対しての運動量も 2次のオーダー (v^2/c^2 が1と比較して) しか違わない。この運動量の z 成分は、 E/2c sinα十分な精度をもって、(高次の量を除き)、E/2c α 又は、E/2・v/c^2 。 それゆえ、 SとS'は一緒にしてz方向に Ev/c^2 の運動量をもつ。 それゆえ、系の全体運動量は、吸収前において