E=mc^2

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622catastro
>>214 の話の原文の本をもっていることを発見して訳しました。
1945年のアインシュタイン自身のエネルギーと質量の等価性の初等的導出
>>248 >>296 >> 304 さん。

質量とエネルギーとの等価性の初等的導出
An Elementary Derivation Of The Equivalence Of Mass And Energy

アルバート・アインシュタイン(1946年)

Out Of My Later Years (Citadel Press) に収録 (pp.116-119)。

以下に述べる等価性の導出、それは未出版であるが、これには2つの利点がある。
特殊相対性の原理を使用しているが、理論の形式的機械を仮定せず、以前から
よく知られる3つの法則だけを使用する。
(1) 運動量保存の法則
(2) 放射圧の表式;つまり、一定の方向をもった放射の塊の運動量
(3) よく知られた光行差の表式
(地球の動きによる恒星位置への見掛けの影響 -- ブラッドレー)

我々は今、次の系を考察する。K0 系に物体Bが静止し、2つの放射の塊、S、S'が
それぞれE/2のエネルギーをもって、x0 の正と負の方向に動いていて、
突然、物体Bに吸収される。この吸収において物体BのエネルギーはEだけ増加する。
物体Bは、K0系では対称性のため静止したままである。
623catastro:05/02/05 21:38:52 ID:1hVY/hI+
ここで我々はこの同じ過程を、系 K からみる。それは系 K0 からは z0 の負の方向
に一定の速度 v で動く系である。系 K からみると、その過程は、次のように記述される。

物体Bは、 z方向の正の方向に速度vで動いている。
2つの放射の塊は、K系に対しては、x軸と角度αをなす方向をもっている。
光行差の法則は次をいう。1次近似で、α= v/c (英文は逆数だが直した(訳者))。ここで c は光速。
K0系での考察から、S、S'の吸収によっても B の速度 v は、変わらない。
ここで我々は、運動量の保存則を適用する。系Kのz方向についてである。

I. 吸収前に、B の質量を M とする。 (古典力学に従って) Mv がBの運動量の表式である。
それぞれの塊はエネルギー E/2 をもつから、マックスウエル理論のよく知られた帰結
によって、E/2c の運動量をもつ。厳密に言えば、これはK0についてのSの運動量である。
しかしながら、v が c に対して小さく、K系に対しての運動量も 2次のオーダー
(v^2/c^2 が1と比較して) しか違わない。この運動量の z 成分は、
E/2c sinα十分な精度をもって、(高次の量を除き)、E/2c α 又は、E/2・v/c^2 。
それゆえ、 SとS'は一緒にしてz方向に Ev/c^2 の運動量をもつ。
それゆえ、系の全体運動量は、吸収前において

Mv + E/c^2 v
624catastro:05/02/05 21:39:44 ID:1hVY/hI+
II. 吸収後において物体Bの質量をM'とする。我々はここで、エネルギーEの吸収に
よって質量の増加を予期している。(これは、我々の考察の最終結果が整合するため
に必要である。) 吸収後の系の運動量は、それで、


我々は、ここで、運動量保存の法則を仮定し、それを z 方向に適用する。


Mv + E/c^2 v = M'v

M' - M = E/c^2

この方程式は、エネルギーと質量の等価性の法則を表示している。
エネルギー増加 E は、質量増加、E/c^2 と結合している。
エネルギーは、通常の定義に従へば、付加定数が要らないから、

E = Mc^2
625catastro:05/02/05 21:48:50 ID:1hVY/hI+
IIの
に必要である。) 吸収後の系の運動量は、それで、
のあとに、

M'v

が抜けました。