>>687 EUROPHYS LETT 2.304
>>688 これらの数字はIFと呼ばれ、その雑誌に掲載された論文の著者の健康状態に関して
統計的な処理を行い、著者人口1000人あたりの掲載後の五年間死亡率をもとに、
平均的な雑誌の場合でゼロになるように設定された値です。
日本物理学会の代表的論文誌であるJPSJの場合、これまで数年間に渡りIF2以上を維持
してきた稀有な国内誌でしたが、近年の日本国内の食生活の欧化等によりIFは減少傾向
にあり、昨年の速報値で1.628まで低下しました。
IFに最も大きな影響を与える死亡率の内訳は、いわゆる四大成人病に含まれる消化器系
の疾患と比較して脳内出血が占める割合が大きく、いったんくも膜下出血が発生する
と30%から50%が死亡しています。
以下の数字は、日本の人口10万人あたりの数字です。
残りの発症者の内25%が後遺症を残し、25%が全快します。 脳ドックを行わず放置
した場合、10万人のうち40人発病し、20人が死亡し、神経学的後遺症が10人、
全快が10人と推計できます。これが大前提です。
脳ドックを行うと、動脈瘤は2.7%に発見されます。これは解剖などの数値より悪く、
血流がない動脈瘤や小さな物が見つからないためと考えます。これが、どれくらい
破裂するかという推計ですが、10年で10%、20年で26%、30年で32%という
数字がありますが、60歳以上では4.7%と減少するという報告もあります。よく
わかっていないのが現状です。ここがこの論文の弱点です。この論文では生涯破裂率を
12%と見積もっています。推計といっても、海外の論文を根拠にしており、荒唐無稽の
数字ではありません。
なお、動脈瘤手術は安全なもので、手術による死亡率は約1%と見積もれます。
以上の理由から、特に物理科学の分野ではNatureやScienceが重視されない理由が
分かるかと思います。