そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。物理と少しは関係あるからさ。
つい先日、別のヘアチェック行ったんです。無料体験の。
そしたらなんか頭悪そうなねーちゃんがめちゃくちゃいっぱいで頼りないんです。
で、よく見たらなんかスタッフのプロフィールが公開されてて、
理工学部卒、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、ろくに博士課程も設置されていない三流大の理工学部出たくらいでこんな
重大な任務に就いてんじゃねーよ、ボケが。大卒だよ。大卒。
なんか物理科出身のヘアチェッカーとかもいるし。
モンテカルロ使って育毛シミュレーションか。おめでてーな。
よーし毛根生成演算子を作用させちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、ポアソン括弧教えてやるから交換関係調べろと。
演算子ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。最後の希望を託して
行列表示した毛根数演算子の固有値がいつ負になってもおかしくない、
スキンかヅラか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。中村修二はすっこんでろ。
で、やっと増毛プランの説明が終わったかと思ったら、隣のスタッフが、
これが増毛の方程式です、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、毛根間相互作用を無視した育毛モデルなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、増毛の方程式です、だ。
お前は本当にその方程式の厳密解を得るつもりなのかと問いたい。
問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
お前、方程式の意味知らんのとちゃうんかと。
マーピングモデル通の俺から言わせてもらえば今、モデル通の間での最新流行はやっぱり、
無限レンジモデル、これだね。
異方性を取り入れた2次元カゴメ格子上の頭皮モデル。これが通のモデルのたて方。
無限レンジモデルってのは各毛根が頭皮の全ての毛根と同じ強さで相互作用するという模型。
そん代わり男性ホルモンの分泌は少なめ。これ。
で、それをひたすら繰り込み群で。これ最強。
しかし、あまり粗視化しすぎるとイレレヴァントな毛根変数が増えてしまうという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦めできない。
まあお前、1は脱毛のショットキー異常でも観測してなさいってこった。