★ なげやりな さくらの1日 ★ 3rd story

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741ちょびっちゅ
ルージュ月 伝言 日

夜中に窓から知世ちゃんがやってきた。
『さくらちゃん、こんばんわ。』
『と、知世ちゃんこんなに夜中にどうしたの?』
本当はなんでわざわざ窓をぶち破って入ってきたのか聞きたいんだけど、
常識的な疑問がまず口にでた。
ケロちゃんなんかガラスの破片が頭に刺さって、
噴水のように血がでているし・・・・・・
『なんや、さくらを夜ばいでもしにきたんか?』
そのくせ普通にリアクショしないでほしい。
『いえ、今回は別の用件ですわ♪』
知世ちゃんも、この惨状を無視して平気に話を進める。
『実は、今さっき、空を飛んでいる女の子をみつけたんです。
ぜひ、さくらちゃんと一緒に会いに行きたいと思ったのですわ。』
さくら以外にも魔法が使える女の子がいるのかな、少し興味がわいた。
742ちょびっちゅ:2001/05/27(日) 17:51
ケロちゃんは頭から噴水のように血をピューピュー流しながら、呟いた
『・・・眠くて頭がクラクラするんやけど、残って寝ててええか?』
ケロちゃんそれ貧血だよ・・・・

フライのカードでステッキにのっていざ出発。
留守番にミラーと死にそうなケロちゃんを残して、飛び立った。

あんのっ♪ひっとの♪ママにあうために〜♪
いんまっ♪ひっとり♪れえしゃにのおたの〜♪

ほどなくして、音楽が流れているラジオをぶらさげたほうき
に乗った女の子を発見した。ついでに黒猫も見える。
『こ、こんにちは。』
横に並んで挨拶をする。
女の子はこちらに気付いて、驚きの視線を向けた。
『さくらと言います、後ろにいるのは友達の知世ちゃん。』
照れながら自己紹介。
黒い服と真っ赤な大きなリボンを身につけた女の子はキキと名乗った。
黒猫にもジジという名前があるらしい。
743ちょびっちゅ:2001/05/27(日) 17:52
で、場所をペンギン公園に移して、ゆっくりと話したの。
キキさんは年上の13才、魔女なんだって。
修行のため一年間、自立して生活しなきゃいけないらしい、大変なんだね。
『さくらちゃんは魔女じゃないの?』
と聞かれたが、知世ちゃんがいち早く返答した。
『魔法のステッキを持って、ヒラヒラでフリフリなコスチュームを着た少女は、
魔女、でなく魔法少女ですわ。』
だって、さくらにはよく分からないけど分別はあるらしい。
『魔女は狩られても魔法少女は狩られませんわ・・・・』
フフフ、と妖しく笑って冗談を飛ばして、一同大爆笑でした。
744ちょびっちゅ:2001/05/27(日) 17:52
『なんや〜、さくら達ここにいたんか〜。』
頭に包帯をまいたケロちゃんがやってきた。
『休んでなくても平気なの?』
と聞いたら、苦笑して、
『邪魔者は消えるしかないんや、馬にけられて死にたくなかったらな・・・』
『まっ、桃矢さんたら♪』
サッパリ、わからない事を言うが、知世ちゃんには通じたらしい。
・・・・・・お兄ちゃんがどうかしたの?

それはそうと、キキさんは、明日には友枝町からいなくなるらしい。
名残惜しいけど、今夜だけでも楽しく遊ぼうという事になった。

『さくらちゃんファイトですわ〜』
得意料理がお互いホットケーキという共通点があって、
クッキングバトル。知世ちゃんは嬉しそうにビデオをまわして歓声をあげている。
こっそりスイートのカードを使ったのがいけなかったのかな、
甘すぎて食えたものじゃなかったけど、キキさんは焦がしてたから、引き分けだよ。
745ちょびっちゅ:2001/05/27(日) 17:53
その後、知世ちゃんのコスチュームを着せ替えで、
さくらがキキさんの服をきて、キキさんがカードキャプターの衣装をしたり、
ケロちゃんと黒猫のジジの拳闘試合などなど、
楽しい時間が過ぎて行った。
そして最後はキャンプファイヤーを囲んで歌ったんだ。

『は〜、知世ちゃん今日は楽しかったね』
『ええ、本当に素晴らしい日でしたわぁ』
知世ちゃんは恍惚とした表情で、ビデオを眺めた。
いい絵がとれたようで満足しているらしい。
『キャンプファイヤーなんて、すごい美しかったしね。』
そう言うと、さらに知世ちゃんは目を細めた、
『ええ、綺麗な炎でしたわ』
『そういえば、その頃からキキさんの姿みてないけど、
お別れの挨拶くらいしたかったよね、別れが苦手なのかな?』
『今頃きっと空の彼方にいると思いますわ。』
うっとりしながら、知世ちゃんは遠くを見つめた。
きっとキキさんの事を思い浮かべてるんだろうな、今頃は、そうだね、
きっと遠くの空を飛んでいるんだよね♪
 
          おわり♪