★ なげやりな さくらの1日 ★ 3rd story

このエントリーをはてなブックマークに追加
180陽ノ下さくら
さよなら友枝町…思い出の町から明日出て行くんだ…

あれは週に一回のクラス会の山崎君の発言からだった

「「黒んぼ」が差別語なのと同じように「さくらんぼ」も木之元さんを差別した言葉です。使うのを止めましょう。」
なにをたわけた事を…と思っていたら

「そうだ!さくらちゃんが可愛そうだ!」ってみんなノリノリ、さすが学級王の発言は強いな

学級崩壊気味だったこのクラスに団結の兆しを見出した寺田先生は
「よしっ月曜日の職員朝礼で先生が学校全体としてこの問題に取り組めるように言ってみるぞ」
まさか…冗談だよね…でもこの担任の場合、冗談じゃないことを既にやっているから怖いよ…

「せ…先生、わたし全然気にしていませんし、それにさくらんぼって名前好きで…」
「ええーっ!!(バシン!!※机を叩く音)」クラス全員がわたしの発言が終らない内に騒ぎだす!!

と…ト−タリズム(全体主義)…

「あの…それよりも李君や苺鈴ちゃんを三国人って呼ぶほうが問題だと…」
「三国志の舞台の国の人だから三国人なんだよ、木之元さん」山崎君それホント?
「そっそうなのかな?李君?苺鈴ちゃん?」
「さあ?そうなのか苺鈴?」
「さあ?そうなんだ?」

ダメだ…この流れを変えられない…

「とりあえず、このクラスでは臨時に「さくらんぼ」は「さくらさんぼ」と呼ぶことにしましょう」
「ほえ?」
「異議なーし(ドタン!※床を踏みつける音」

「ちょっとみんな!「さくらさんぼ」の方がわたしへの当てつけみたいだよ!!」

山崎君がまた何か言い出した…
「「ちびくろサンボ」も元は「ちび黒んぼ」だったんだよ、でもねそれじゃあ子供によくないからって
敬称の「さん」をつけたんだよ」
「「さん」の位置がおかしいよ…」
「へーっそうなんだ!!(バン!※手の平を打ち合わす)」

「ロシアの軍隊格闘技「コマンドサンボ」もそうなのでしょうか?」知世ちゃんそれはフォローなの?
「軍人は卑怯な手段を使っても良いという軽蔑の意味で兵隊を意味するコマンドに「ボ」がついたんだけど
やっぱり日本では「さん」をつけた方が良いってことで「コマンドさんボ」になったんだよ、大道寺さん」
181陽ノ下さくら:2001/01/27(土) 12:47
もうだめだ…知世ちゃんも頭はいいから一度納得すると中々考え方が変わらなくなるんだよね…
「これは…大変なことですわさくらちゃん!!」知世ちゃんもそっち側に行っちゃったのね…

日に日にこの騒ぎがエスカレートしていって友枝町から市のレベルまで発展していった…
これじゃあ日本経済も回復しないよね…

ある日わたしは市議会からお呼ばれされて市庁舎に行ったんだ…さくらんぼの新名称の公募結果を決めてほしいんだって
何でもこの辺では「さくら」はわたしだけなんだって…だったら放っておいよ…グスン…

市庁舎には知世ちゃんが待っていた…相当なお金がこの狂ったキャンペーンで動いたんだろうな…
「さくらちゃんお待ちしておりました、公募された新名称ベスト5からさくらちゃんがお気にいられたお名前を決めて下さい
、その前にこのコスチュームに…」
「公私混同!!」
周りの記者さん達が「えーっ」って言っている

「それよりも早くベスト5教えて、今日のわたしのお当番お洗濯だから時間がないの!!」
「では一位から…」

1位「さくらたん」…問題ありね…

2位「さくらたん(ハアハア」…1位と同じだよ?
「「(ハアハア」がありますわ」…はぁ…?

3位「さくら玉」…わたしはやり玉だよ…

4位「さくらん」…問題の「ぼ」を取ったんだ…このイベント自体が錯乱しているよ…
「わたしは漢字で「桜乱」というのがお勧めですわ、さくらちゃんが乱れるなんて…(ハアハア」知世錯乱して乱れ始めている…
「「さくらん」だと李君みたいな名前でややこしからパス」

♪子狼!さくらん!天気予報!♪僕の名前は…
…有り得る…絶対ダメ!!

5位「桜花」…コードネームは「バカ」?…このイベントに似合い過ぎだね…

「さあっ選んで下さいなっ!さくらちゃん!!」
「…選んだらどうなるの…」
「条例化させてみせますわ!!」一同拍手…

「結局わたしは…を選んだんだ…でねその日の夜、お父さんとお兄ちゃんとよく話し合ってお引越しすることにしたんだ…」
どこか遠く遠く…

----------------------------
転職と引越しで当分ネットができませんがまたいつかお邪魔させてください…
                            陽ノ下