★ なげやりな さくらの1日 ★ 3rd story

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443ちょびっちゅ
○月●日

 さくらはおもむろに必勝とかかれたハチマキを巻いた。
不思議だ、気がひきしまるのが自然と解る。

「まぁ・・・さくらちゃん、今日は気合がはいってますのね。」
 知世ちゃんはそう言ってくれるが今回ばかりは敵と思っていい。
内面ではきっとウズウズしてるに違いないのだ。

「それではみんな席につけ〜。」
 例の物を持ってきて寺田はいった。
しかし、もはや雑音などに関心はない、さくらは無の境地で机についた。
シーンとした空間に、クラスのみんなから自分が注目されてるのが解った。
みんな期待してるのだ・・・しかし今日負けるわけにはいかない。

「それでは、テスト開始っ!」
 寺田の声と同時にみんないっせいに数字の処理能力診断にとりかかる。
さくらも難解で、意味不明な数字を解読しようとつとめる。

    ********************

「木之本・・・・・0点だ。」
その瞬間、静まり返っていた教室がワッと盛り上がった。
「さくらちゃんオメデトー!!」
「ついに記録が並んだじゃないかっ!」
などと周りからはやしたてられる、知世ちゃんは、この瞬間を逃すまいと、
ビデオをまわしっぱなしだ。
「次は・・・ガンバレよ。」
 ほほをヒクヒクさせながら寺田が言う。この日、
さくらは伝説の小学生の野比君と、0点連続記録(算数の部)で並んでしまったらしい。
ホエエ・・・、全然OKじゃない、記録だけは更新しないようにしよう・・・