今そこにある印刷物を適当に書き写せ@CCさくら板

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301CC名無したん
いて報告したことは、他の器官系統を考慮するときいっそう完全なものになるだろう。子供の性生
活一系列の部分本能(Partialtrieb)の活動から成っているが、この部分本能はお互いに無関係に、
一部は自分自身のからだから、一部は早くも外界の対象から快感を得ようとする。これらの器官の
うちでも、性器は非常に早くあらわれる。世の中には、他人の性器か他人なしに、自分自身の性器
で快感を求め、乳児期のオナニーから思春期のやむにやまれぬオナニーに到るまで、ずっとオナニ
ーを続け、思春期が過ぎてからも長い間これを行なっている人がいる。それはそれとして、オナニ
ーの問題はそう簡単にはいかない。オナニーは、多方面から観察しなければならない問題である。
 私は、この問題をもっと簡単に話したいのだが、なお子供の性的好奇心について、二、三のこと
をお話しなければならない。性的好奇心は小児性欲に特有なものであり、また神経症の症候学にも
重要なものである。
302CC名無したん:02/02/05 01:52 ID:TDVpLPWM
子供の性的好奇心は非常に早く、ときに三歳前に始まる。性的好奇心は、性別には関係がない。性
別は子供にはなんの意味もない。というのは子供−−すくなくとも男の子供−−は、男女両性はみ
な同一の性器、すなわち男性性器をもっていると思っているからだ。ところが、男の子が小さい妹
か遊び友達にはヴァギナがあるのを発見したとき、子供は即座に自分の近くの証拠を否定しようと
する。というのは、男の子は、自分と同じかたちの人間が、自分には非常に尊いと思われる性器が
なんらかの機会になくなりやしないかと心配し出す。そして子供が自分の小さいペニスをあまりは
げしく気にし出したために、大人が子供をあまり小さいときに叱ると、それはのちのちまでも影響
を残す。彼はついに去勢コンプレックスに支配されるようになる。この去勢コンプレックスは、彼
が健康であれば、その性格の形成に、彼が病気であれば、神経症に、また彼が分析療法を受けてい
れば、抵抗に大きな役割を演ずる。小さい女の子について私たちが知っていることは、つぎのこと
である。すなわち女の子は、大きな、目にはっきり見えるペニスをもっていないために、たいへん
損をしたと考え、男の子がこれをもっているのをねたみ、この動機から、男になりたいという願望
−−この願望は、女としての役割がうまくできないために起こった神経症の中に、後年再びあらわ
れる−−をいだく。なお女の子のクリトリスは、小児期にはペニスとまったく同じ役割をしている。
それは特別興奮しやすく、また自己性愛的な満足が達せられる部位である。女の子が一人前の女に
なるかどうかは、クリトリスがこの敏感さを、ちょうどよい時期に完全にヴァギナ口にゆずり渡し
てしまうかどうかにかかっている。女性のいわゆる不感症の場合には、クリトリスはこの敏感さを
頑固に持ち続けているのだ。

「精神分析入門(ジークムント・フロイト著)」神経症学総論第二十章