●木香様臭(きがようしゅう)の原因(1/3)
[1]木香様臭の主成分はなにか
よほど酒造りの現場に近い人でなければ「木香様臭」といわれても、どんな香か想像は付かないと思いますが、
「酒を木の樽に詰めておくと付く文字通り木の香に近もの」です。
しかし、
「木香様臭」が主にアセトアルデヒドによるもので、イラつくような刺激を感じるのに対し、
「樽酒の香」は木香そのもので、多少のアセトアルデヒドは含まれますが、
テルペン類とか精油成分が主で、樽の材料である杉材のよい香りです。
一般の日本酒の場合、その中に70〜80ppm以上のアセトアルデヒドが含まれていると、
木香様臭が感じられるとされています。
発酵中の醪の中では
澱粉 → ブドウ糖 → ピルビン酸 →
(C6H12O5)n C6H12O6 CH3C(=O)
アセトアルデヒド → エチルアルコール
CH3CHO C2H5OH
という反応が連続的に行われています。