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80,鳥に変身して地上絵を見る
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E7%B5%B5 ナスカの地上絵

カラワヤ族の故郷から西へ300マイル(約480キロ)行くと、ナスカ平原がある。巨大な鳥や動物の
絵、直線や幾何学模様などが地平線のかなたまで広がっている場所だ。

この地上絵の存在に最初に気づいたのはペルーの考古学者トリビオ・メヒーア・ヘスペ、1929年のこと
だった。だが、それが世に知られるようになったのは、1940年代にロングアイランド大学の歴史
家ポール・コソク博士が発表して以後だ。

1941年6月、コソクは古代の運河(化成の運河にたとえられてきた線)を探すために飛行機
でナスカ上空を飛び、赤い砂漠の表面に、まず鳥の線画を、つづいて巨大なくもを見た。さら
にコンドル、蝙蝠、シャチ、花などもあった。さらに崖の表面には、900フィート約270メート
ル)に達する人物像がああり、それはあたかも彼をもむかえいれるかのように両腕を広げ
ていた。

コソクはその線画を調べ、後にはドイツの学生マリア・ライトへと合同した。彼女は終世この地にとど
まることになる。彼女はその線画の目的についてはまったく不明としながらも、おそらく
何らかの天文学的な目的を持ったもの、たとえば巨大な暦などではないかと考えた。図案
に関しては、彼女の説によれば、ナスカの原住民が経済的に反映していたころ、彼らは氏族に
分かれており、これらの図は士族の紋章のようなものだったという。

直線と絵は、砂漠の表面の赤茶色の石を注意深く除去することによって造られている。こ
のパンパにはほとんど風が吹かないので、1000年もの間、そのままの姿をを留めていたのだ。
いうまでもなく、その石の年代を測る術はない。だが陶器や墓の副葬品などの工芸品から、
ナスカ族は北の隣人であるモチェ族と大体同時期にいたことが分かっている。
81,:2008/07/27(日) 08:18:55 ID:wRyDo9ND0

最近になってようやく分かってきたことだが、紀元535年ごろ、何らかの破局のために地
球の大気には粉塵が満ち、日光が遮られた。その後、1世紀以上に渡ってさまざまな災害が
起こった。その原因は誰にも分からないが、「破局」(1999)と題する本を書いた考古
学者ジャーナリストのディヴィッド・キーズは、スンダ海峡一帯の巨大火山、おそらくクラカトアの噴火をあ
げている、、、、もちろん、彗星衝突の可能性もある。かくして、厄病と旱魃が世界を覆った。

モチェ族はこの<大旱魃>によって滅びた。おそらくナスカ族にも同じことが起こったのだろう。
あの巨大な地上絵――空中からしか見ることができない――は、神への雨乞いの祈りだっ
たことはほぼ間違いない。

(ナスカの地上絵。空中からしかその形を把握できないこの地上絵は、酸化して茶色になった
表土を掘り、その下の白い沖積土を露出させて描かれている。)

エーリヒ・フォン・デニケンは「神々の戦車」の中で、当然ながらこの直線は宇宙からの訪問者が引
いたものだと述べている。さらに、長い直線は異性人の宇宙船のために滑走路であるなど
述べていることからしても、彼がそれを間近で見たわけではないということは明白だ(こ
んな岩だらけの滑走路では、さぞかしひどい離着陸になっただろう)。1997年の「神々の到
来」においてすら、彼は依然としてこの直線を「滑走路」と呼んでいる。


<大旱魃>が発生したという事実が判明したことによって、直線の目的に関する謎が解け
た。根本的な謎が残っている――これを描いた人々は、もしも熱気球を持っていなかった
のだとしたら、自分の描いたものが思い通りに描けているかどうかということをどうやっ
て確認したのだろうか?

おそらくその答えは、それを確認する必要はなかったということだろう。地上絵は、まず
砂の上に小さな下絵を描き、それをロープと杭のような単純な道具を使って「拡大」したの
だ。

だが最も興味深い手がかりは、パンパに描かれた猿の地上絵だ。猿はナスカ一帯では未知の生
物であり、ペルーのアンデス東方の熱帯雨林原産だ。熱帯雨林といえば――後に述べるが――シャ
ーマンの故地である。そのシャーマンは、われわれが「幻覚剤(サイケデリック・ドラッグ)」と呼ぶものを
使って、肉体の外へ出ることができると主張している。

このような薬物の特徴の一つは、多量の鼻漏だ。また、嘔吐が引き起こされることもある。
そしてナスカの陶器には、鼻漏や嘔吐が描かれたものがあるのだ。ナスカ一帯では、幻覚剤とい
えばサン・ペドロと呼ばれるサボテンだ。
82,:2008/07/27(日) 08:19:47 ID:wRyDo9ND0

この興味深い事実――BBCの「ホライゾン」(質の高いことで知られる科学番組)で述べられて
いた――は、ナスカ人が地上絵をどうやって空中から見たのかという謎を説明してくれるだろ
う。宇宙船――あるいは熱気球――は必要ない。幻覚剤は浮遊感覚をもたらす。すべての
シャーマンが断言するように、巨大な鳥のように空中からものを見ることが可能となるのだ。

ルーマニアの宗教学者ミルチア・エリアーデの「シャーマニズムー―古代の法悦技術」(1951)によれば、シャ
ーマンが世界樹の枝で巨大な鳥に育てられるという話は世界中の神話に去る。エリアーデは言う、
「鳥に変身する能力は、あるシャーマニズムに見られる基本的な特徴である」。シャーマンには、ジャガ
ーからねずみまで、彼を助けてくれる多くの動物、さらに植物がいる。これらは彼の師でも
ある。

「アトランティスからスフィンクスへ」の中で、私はこの伝承がシャーマンと自然の基本的な相互作用を祖呈
していることを示そうとした。たとえばF・ブルース・ラムの「アマゾン上流の魔術師」(1971)
によれば、マヌエル・コルドバというペルー人の若者が、ブラジルのアマワカ族――やはりアマゾン上流―― 

に誘拐され、シャーマンとしての訓練を受けた。ホニ・シュマ(アヤワスカの抽出液)と呼ばれる「ヴ
ィジョンのエキス」を飲んだ原住民たちは――コルドバも含めて――共通の幻覚を体験した。

蛇や鳥や動物の登場するそれは、一晩中続いた。「ボアの歌」を歌うと、巨大なボアが森の
おくから現われ、それから別の蛇たち、さらに鳥たちの長い行列が続いた。中には巨大な
鷲がいて、彼らの前で翼を広げ、黄色い眼をきらめかせ、嘴を鳴らした。その後、たくさ
んの動物がつづいた――コルドバは、これに関してはあまり思い出せないという。「なぜなら、
その知識は私の意識から生じたものではないからです」後に、ジャングルキャットの「共有ヴィジョ
ン」を見たとき、コルドバは突然、昔見た黒いジャガーを思い出した。するとそのジャガーが突如
目の前に現れ、一同の間を歩き回った。コルドバは震え上がった。このヴィジョンがコルドバの所
為であることを知った原住民は、彼を「黒ジャガー」と名づけた。

シャーマンになる過程で、コルドバは薬物によるヴィジョンを制御するために歌を用いること――ボ
アの例のように――を知った。ここでもまた、われわれは音楽の深い意味を垣間見たわけ
だ。