つーか、初代ウルトラマンは完全にお子さま番組だと思う。新マンのような
骨太な人間ドラマも全く無くて、マンガみたいな薄っぺらなキャラが同じくマンガじみた怪獣と
鉄砲持ってじゃれ合ってるだけの番組としか言いようがない。
隊員一人一人を見てみても、リアルな人間味や生活感の感じられる要素なんか
皆無だと思う。アットホームな雰囲気にかまけて、おどけながら馴れ合っているばっかり。
まるで現実味が全く感じられないし、最初っから人間を作り込もうという意欲がないんだとしか思えない。
そもそも主人公はロボットみたいに無個性だし(しかも大根)、最終回なんか
全員揃って何かのギャグみたいにボーッと傍観しするばかりでロクな攻撃もしない有様
(壊滅状態だったにもかかわらず、全力でウルトラマンを援護したMATの爪の垢でも煎じて飲め)。
そればかりか、ウルトラマンが力尽き倒れた後になってからいきなり
ご都合主義の新兵器を取り出し、怪獣ぶっ飛ばしてヘラヘラ喜んでるんだから
ひどいもんだ。あからさまにウルトラマンの頑張りを、命をないがしろにしてる…
毎回毎回あんな調子だったうえに最終回がコレだから、情熱がメキメキ失せていったよ。
「俺のウルトラマンを返せ科特隊!」
(故に初代マンは自分的にワーストの部類)
やはり、「セブン」で子供たちの支持を完全に失ってしまったウルトラシリーズを
復活せしめた「帰ってきたウルトラマン」は、ある意味奇跡の作品だったんだと思う。
キャラクター一人一人の個性・感情が綿密に描かれ、怪獣もカッコよくて魅力的な
ヤツばかり。回を追う毎に人間として成長していく郷、そして最後には自分自身の手で
必ずや強敵に打ち勝つウルトラマン…これだけの要素を破綻無く盛り込んだ作品は
シリーズ中…いや、あらゆる特撮番組を見渡してもそうそうあるもんじゃない。
一部のマニアが持ち上げているだけで、普通目には退屈かつチープ極まりない駄作「ウルトラセブン」や、
世代人が何も考えずにチヤホヤしてるだけのお子さま番組「ウルトラマン」とは一線を画する
こだわりの作品、それが「帰ってきたウルトラマン」なのだ。