三大怪獣 地球最大の決戦

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454どこの誰かは知らないけれど
自衛隊と怪獣の闘いがないのが、この作品の特徴だね。防衛大臣は登場するが、キングギドラ撃退
に関しては、三大怪獣に任せ、天命を待つと言っている。
人間ドラマと怪獣ドラマは、停電や落石という偶然のリンクで、怪獣ドラマが人間ドラマに、
影響を与えるにすぎない。ギドラ撃退のキーマンである小美人は、テレビ出演のために
偶々日本にいたという、これも偶然。
ラストで出演者はサルノ王女を見送るが、モスラを見送るのはゴジラとラドン。このラストが、人間ドラマと
怪獣ドラマの分離を象徴していた。モスゴジでは、人間がモスラを見送ったからね。
こういう演出によって、観客と怪獣とが同一化するという離れ業を、この映画はやってのけた。
人間は地球の怪獣とは闘わず、宇宙怪獣には手も足も出ない。そこで、地球の怪獣に頼って、宇宙怪獣
を撃退する。モスラがギドラと闘っている姿を見て、ゴジラとラドンが心変わりする。ゴジラ映画の転機と
なる重要作だ。サルノ王女をめぐるアクション・ドラマ部分も、面白い。