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この子の名無しのお祝いに :
2010/11/03(水) 14:29:00 ID:pMt+Dq4O 「天使のはらわた」アメリカ版DVDで池田敏春が曾根について語っているのを見た。 曾根がどういう監督だったかという質問に、「凄い人。とてつもなく凄い人」と言い切っている。 相米も根岸も俺もみんな曾根さんを尊敬していた、と。 そこまではいいんだけど、その理由については首を捻った。 「朝、俺たち助監督を集めて、その日一日の進行を確認する為に台本を開くでしょ。 すると、その日撮影予定の場面がつまらない場面だと、いきなり台本におっきく×って書いちゃうんだよ。 これは撮影しないって。いきなり、大胆に。 それを見て、俺も相米もすげえって圧倒されて。 それから、その代わりの場面の為の準備を猛スピードでやらなくちゃならないんだけど、俺も相米も文句は言わない。 言えないんだよ、曾根さんの凄さに圧倒されているから」 何を言っているんだろう。 そんなこと、クランク・イン前に確認しておくべきことじゃないか。 撮影所システムの枠内でアグラをかいていたとしか思えない。 同じ成人映画でも、ピンク映画でそんな演出をしていたら、クランク・イン10分後に助監督が朝倉大介に電話して、 朝倉さんが直ぐに飛んで来て、その場でクビを宣告されるよ。 映画界に限ったことじゃない。 その日の作業予定を朝になってキャンセルするようでは、どんな会社でもストライキが起こるだろう。 そんな仕事ぶりだから日活ロマンポルノは衰退したんだろうし、日本映画界の病巣もそこなんじゃないかと思った。 日本独特の徒弟制度っていうのは、池田のようなアホなマゾヒストを生んでしまうという弊害がある。 その点は、明確にしておかなくては。 (ただし、曽根も池田も、映画監督として素晴らしい才能の持ち主であることも確かなんだけど) 最後に、曾根監督の所在についての質問に、池田は英語で、 「I don't know. I miss him」と答えていたが、その時の池田が微笑していたのが気になった。 彼は本当は、曾根の所在を知っていて、いまでも時々は連絡をとり合っている、と見た。 池田だけでなく、根岸や荒井やゴジや、それにもちろん渡辺護も、本当は知っているんだろう。