【あげまん】伊丹十三監督 3【大病人】

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1)三國連太郎の、墓場金庫室での必死の哄笑が
地上げビル落成式その他の画面でもループ再生される

2)エンドロールで、テーマ曲がちゃんとイントロから始まらない。
メインメロディからいきなり流れる

3)地上げビル落成式をフェンス越しに見るマルサ3人がアップになるところ。
映画公開時は益岡徹と大地康雄も映っていたのに、DVDでは
宮本信子のとても悔しげな表情だけさらに拡大されて両脇の2人は
トリムされてしまっている。ここに1)も再びかぶさってくる。
あと、その表情の時間が短かったのか、フィルムを反復ループさせている
(たとえると1→2→3→2→1→2→3→2…の順序)。このせいで
トリムされてもかろうじて見えている益岡徹の顔の縁が不自然に動いて
落ち着かない…
てか、このときの益岡の表情は凄く良かったのに何で切ってしまうんだろう
宮本の顔から観客の視線を奪ってしまうからとか?
宮本のは単純に悔しげな顔なんだけど、益岡のは無常観というか、やれやれ…
というような若い世代のさめた感じも出ていて、公僕・地上げ屋・政治家…etc
人それぞれに違う信念と欲望が渦巻く社会のかたちが垣間見えてよかったのに
宮本のアップとそれにかぶさる三國の哄笑という絵にしてしまうと
なんとなく図式が単純化されて薄っぺらく思えてしまうんだ。

以上がDVD版を嫌いな理由。以前VHSビデオ化されたときは映画版のままだったと
思うけど、それは持っていないから劇場公開時の記憶で書いてる。間違ってたらごめんね