ネタバレ
>>100 『八つ墓村』の動機は恋心だったから、まだ哀れさも感じるかな。
横溝正史の小説の犯人って犯行は凶悪でも、動機はどこか同情する部分があるよ。
『悪霊島』は9人殺されて、そのうち4人が快楽殺人の犠牲者。
それでも原作の、巴が吉太郎に「太郎丸次郎丸を生んだ播州山崎へ行こう」と誘う場面は哀れだった。
吉太郎はこの色情狂になった女をずっと見守って、願いをなんでもかなえてやっていたんだなと・・・
巴は吉太郎を見下していたけれど、巴の全てを受け入れていたのは吉太郎だけだった。
一方で、かつての恋人に対しては半ば恐れを懐いていたように思う。
竜平の性格は、最愛の人の変貌など許さないかもしれない。
実際二人の男を天秤にかけて身を潜め、捨て身ですがりついてくる巴を竜平は容赦なく断罪した。
犯人が自責の念を持った恋人に殺されるパターンは『女王蜂』と同じでも、『悪霊島』では殺した
恋人自身は死なないのが一筋縄でいかないところ。