AKIRA KUROSAWAは日本で最も偉大な映画監督
・日本初ドキュメンタリー・タッチの刑事物を撮る。「野良犬」(それまではチャンバラ映画の現代版ばかりだった)
・墨汁で雨を映し迫力をつける。「羅生門」(それまでは雨に迫力がなかった)
・複数のレフ板とカメラが初めて森に入る。「羅生門」(それまでは暗くて入れなかった)
・太陽に初めてレンズを向ける。「羅生門」(それまではフィルムが焼けるのでタブーだった)
・世界で初めてマルチカメラを本格的に使用。「七人の侍」雨の戦闘(どこから撮られているか分からない俳優は迫真の演技をした)
・望遠レンズを使った俳優のアップ。「用心棒」「影武者」(遠近感なく人間の視線に近く見える)
・集団同士が戦う時代劇を初めて撮る。「七人の侍」(それまでは1対1 1対複数の戦いが基本だった)
・全編パンフォーカス。(画面全体にピントが合っているため観客は好きなところを見れる)
・被写体が動かないかぎりカメラも動かさない。(映画の流れに躍動感が生まれた)
・時代劇に「能」と「西部劇」の要素を取り入れる。「七人の侍」「蜘蛛巣城」「用心棒」(歌舞伎的だった時代劇に革命を起こした)
・イギリス人も認める世界最高のシェイクスピア映像作家。「蜘蛛巣城」マクベス「悪い奴ほどよく眠る」ハムレット「乱」リア王
・ロシア人も認める日本最高のロシア文学映像作家。「白痴」「どん底」「デルス・ウザーラ」
・弓道の有段者数人が至近距離から一斉に本物の矢を三船敏郎に射る。「蜘蛛巣城」(危険な場面を緻密な計算と的確な演出で成功させた)
・助監督時代に仕事から帰ると今度は自分の脚本を徹夜で書きまくる。(同室にいた谷口千吉を驚愕させた)
・斬殺音を入れる。「用心棒」(以降、時代劇やビデオゲームで斬殺音を入れるのは当たり前になった)
・アクションシーンをスローモーションで表現。「姿三四郎」「七人の侍」(以降、アクション映画の基本となった)
・映像と音楽の対位法。「悪い奴ほどよく眠る」「酔いどれ天使」(悲しい場面に楽しい音楽での緊張感をもたらした)
・嵐のシーンを撮る時に本物の台風が来るまで何日も待つ。「姿三四郎」「乱」(天災を映画に利用する貪欲さと執念)
・「あの家が邪魔だな・・・」の一言で撮影の邪魔になる民家を取り壊させる。「天国と地獄」(完全主義者の凄まじいまでの拘り)
当時の革新的手法とその効果への驚きが、世界にクロサワの名を届かせた。
黒澤明へのオマージュ作品
「キング・アーサー」(戦術・燃える民家・泥まみれの戦闘→「七人の侍」)
「ウォーターボーイズ」(素手で魚を捕まようとする・黒板の地図・火事→「七人の侍」)
「13ウォーリアーズ」(戦術・土砂降り戦闘・剣を墓に突き刺す→「七人の侍」)
「マッドマックス2」(一匹狼・対立するグループ・用心棒稼業・犬・顔の傷メイク・瀕死⇒復活→「用心棒」)
「スターウォーズシリーズ」「ワイルド・アット・ハート」「キル・ビルVol.1」(片腕切断→「用心棒」)
「ザ・エージェント」(喫茶店のシーンのバックに一瞬ハッピー・バースデイが流れる→「生きる」)
「ET」(ひとりでに動くブランコ→「生きる」予告編)
「マトリックス リローデッド」(モーフィアスの殺陣→「椿三十郎」三十郎の殺陣)
「千年女優」(糸車を回す妖婆・火矢・壁のシミ→「蜘蛛巣城」)
「AKIRA」(タイトル→黒澤「明」)
「スターウォーズ」( ストーリー設定・キャラクター設定・ワイプ→「隠し砦の三悪人」)
「清朝皇帝」「風とライオン」(疾走する馬上の殺陣→「隠し砦の三悪人」)
「ダーティハリー」「リーサル・ウェポン」「セブン」(新人刑事&ベテラン刑事→「野良犬」)
「ゴッドファーザー」 (冒頭の結婚式シーン・シークエンス→「悪い奴ほどよく眠る」)
「暴行」「戦火の勇気」「JSA」「閉ざされた森」(食い違う証言内容→「羅生門」)
「フレンチコネクション」(カーチェイス→「天国と地獄」特急こだま)
「身代金」(主人公は成り上がりの金持ち・FBIが変装して家を訪れる→「天国と地獄」)
「踊る大捜査線」 (色の付いた煙突の煙→「天国と地獄」)
「シンドラーのリスト」(パートカラー→「天国と地獄」)
「プライベートライアン」(戦闘・残酷描写→「乱」三の城攻防)
「スターウォーズEP1」(ドロイドvsグンガン族→「乱」次郎軍vs三郎軍)
「英雄」(様式美・衣装デザイン→「乱」ワダエミ)
黒澤明を尊敬する監督たち
スティーブン・スピルバーグ ジョージ・ルーカス フランシス・F・コッポラ
マーティン・スコセッシ ジョン・ミリアス ポール・バーホーベン イングマール・ベルイマン
ジョン・ウー チャン・イーモウ アレックス・コックス サム・ペキンパー
アンドレイ・タルコフスキー ウイリアム・フリードキン フェデリコ・フェリーニ
ヴェルナー・ヘルツォーク ジョン・フォード ジョン・ヒューストン
ウディ・アレン ジャッキー・チェン スタンリー・キューブリック ジャン・ルノワール
黒澤明が海外映画祭で受賞した賞
「羅生門」ベネチア国際映画祭グランプリ
「七人の侍」ベネチア国際映画祭銀獅子賞
「生きる」ベルリン映画祭銀熊賞
「隠し砦の三悪人」ベルリン映画祭銀熊賞
「影武者」カンヌ国際映画祭グランプリ
アカデミー名誉賞(外国語映画賞) 「羅生門」
アカデミー賞外国語映画賞 「デルス・ウザーラ」
アカデミー名誉賞 長年の功績に対して
アカデミー賞監督賞(ノミネート) 「乱」