黒澤明&黒澤映画伝説
「羅生門」
・雨に墨汁を混ぜて映像に凄まじい迫力を加える。
・世界で初めて森にカメラが入り太陽を撮影。
・屋根瓦を作るために焼きあげた瓦の数が4000枚、その1つ1つに「延暦寺十七年」と年号を刻む。
「生きる」
・市役所のセットに軽トラック3台分もの古い書類を運び込む。
・新品の壁、小道具に至るまで靴墨で汚しリアリティを出す。
「七人の侍」
・新人の俳優に歩くだけで朝から夕方までNGを出す。
・水車小屋を燃やすシーンでは4回も水車小屋を作り直す。
・地面を花で埋め尽くすために4tトラック15台分もの花を2週間がかりで植える。
・撮り直しの出来ない雨の戦闘シーンでは世界初の試みマルチカメラ方式で撮る。
・百姓の衣装を一旦土に埋め何日かして取り出しそれを束子で擦って古びた感じを出す。
「蜘蛛巣城」
・弓道の有段者数人を使って本物の矢を一斉に三船敏郎めがけて射さす。
・石油を細かく噴出させるアメリカ軍の特殊兵器で大量の霧を発生させる。
「どん底」
・衣裳部屋に古今亭志ん生を招き、役者とスタッフに「粗忽長屋」という古典を聞かせる。
「隠し砦の三悪人」
・3台のカメラを並べたリレー方式の撮影で戦闘シーンを撮る。
・地層が出ていないので3日間撮影中断。
「用心棒」
・世界初の斬殺音、人体切断、血糊。
「椿三十郎」
・白い椿を黒く塗ることでモノクロでも赤く見せる。
・アフレコ時にも役者に衣装と日本刀を身につけさせる。
・椿屋敷の実物の木に2万個の造花を10日がかりで結ぶ。
・リハーサルの段階から役者は本物の日本刀を腰に差す。
「天国と地獄」
・撮影の邪魔になる民家を取り壊させる。
・エキストラの数を倍に見せるために壁を全部鏡張りにする。
・特急こだまを貸し切り8台のカメラを別ポジションで同時に回して撮影。
「赤ひげ」
・たった20秒の雪のシーンのために麩3000本と発砲スチロール250キロを使用。
・三船敏郎は白黒映画にも関わらずリアリティを出すためにヒゲを赤く染める。
・開ける予定の無い薬箱全てに本物の薬を入れる。
「デルス・ウザーラ」
・サーカス用のトラの眼が死んでるからと野生のトラを捕獲させる。
「乱」
・嵐のシーンを撮るために台風が来るまで何ヶ月も待つ。
・燃やすために4億円かけて城を建てる。
・5秒のワンカットのために9ヶ月もかける。