おもしろい事に2chで蛇蝎のごとく嫌われる共産党は、映画「砂の器」を弁護している。
ttp://www.seko-yukiko.gr.jp/offtime/data1/060222-024627.html 日本共産党前衆議院議員 瀬古由起子のHPより
【鑑賞記】映画「砂の器」デジタルリマスター版(2006.2.19)
『今日では裁判の結果、政府と国会が謝罪までして断罪されたハンセン病が、
当時「らい病」と呼ばれ患者・元患者さんたちを強制隔離した時代が背景になっていますが、その時から強くつくられた偏見差別は、まだ根深く残っている。
この「砂の器」の再上映は、その差別を助長するものだという論を立てる人がいます。
しかし、私はこの映画を観てこの当時の国民の認識を今日の到達点から論ずることには無理があると思うのです。
やっぱり、この映画の芸術性は、不朽の日本映画として長く残されていくにちがいないでしょう。』
ここで指摘しておきたいのは、瀬古氏の論点は公開当時の映画や日本人をハンセン病差別について非難することが難しいことにあることだ。立法府の人間としてその点に注意が向くのだろう。そして、現在この映画が持っている危険性を完全に否定したものではない。
ある面瀬古氏がそう書くのも、もっともだと思われる。なぜなら彼女はハンセン病問題を専門としており多くの知識を持っている、彼女がこの映画から誤った情報や差別を助長するような雰囲気を感じることはないからだ。
しっかりした知識のある者は、危険な映画を見ても影響されることはないということだろう。
しかし、映画の主な観客である10〜20代の若者、ビデオが普及した今ではそういう若い人が昔の映画を初めて見るのであり、そこでの危険性を指摘するのには十分な意味があるだろう。