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この子の名無しのお祝いに:
「砂の器」と「愛する」を図式的に対比することで面白いことがわかる
「砂の器」は、
映画芸術としては非常にすぐれており、多くの観客に感銘をもたらす
ハンセン病患者の描写は限定的で、哀れみを誘うイメージ優先
ハンセン病患者にとっては差別のみ描かれ不満、ハンセン病の知識のない一般の人は大満足
→映画に感銘を受けた一般人が、ハンセン病の扱いについても優れた映画と絶賛する一方、ハンセン病の知識のある人や患者には、差別を助長しかねない危うい映画と見ている
「愛する」は
映画芸術としては非常に混乱していて、ほとんどの観客には駄作に見える
ハンセン病患者の描写は現実にそっており、台詞で彼らの説明も入っている
ハンセン病患者にとってはかなり満足、ハンセン病の知識のない一般の人は面白みが薄い
→映画のつまらなさと不自然な筋立てに、一般人が無視あるいは疑問をなげかける一方、ハンセン病患者は自分たちの描写のみに注目し満足
この対比を一言で書けば
「砂の器」はハンセン病患者の扱いを限定する事で、映画としての面白さのための犠牲にしたことだろう