512 :
この子の名無しのお祝いに:
(2)みんなのシネマ
127本もレビューがあるし、平均点も8.21と高い、日本映画を代表するような名作という声が多いですね。
皆さんが感的動してるのは圧倒的に後半、それと加藤嘉の「こんな人知らね」という台詞、宿命、差別ということ。
推理ものとして誉めてるレビューは1本もなく、原作の推理ものを越えた人間ドラマとして、圧倒的に支持されてる。
ハンセン病を抜かしたドラマ版に対しては、物語の核を除くなんてまるで駄目という声もあり、ハンセン病がこの映画の大事な部分という意見が圧倒。でも動機に関する疑問も数件あった。
どの辺が名作なのか、感動したのかといえば、後半の回想と捜査会議室と演奏会のシーンで、そこで出てくる「宿命」なのは間違いない。
更に詳しく見ると【神華歌佳人】さんの言う『主人公の殺人は、どう考えても勝手な理屈なのに、そこに至ってしまったことを納得させるストーリー。善意でしたことが仇になってしまうこと』が述べてる。
・主人公が父親を捨て、昔の恩人の父親に会ってくれという言葉に対し、殺人で答える所に宿命がある。本来なら、恩人を殺したくはないはずなのに、殺さざるを得ない(ああなんて悲しい)、
・それは自分が会えば父親がハンセン病だと知れるから、それが主人公にとっては絶対に受け入れられない事、おそらくは知られれば社会からの「差別」により自分の結婚と新進音楽家としての道が閉ざされるから。(なんて悲しい身分)
・ハンセン病の父親が生きていることを知りながら会わず、父親の側も知らぬふりをする所に表れるもの。それほど差別が怖い。(なんて差別はヒドイだあ!)
・そういった差別に潜在的にさらされた主人公が殺人を犯すのは、もはや個人の意思の問題ではなく、前世から定められた運命のようなものだ。(なんて悲しいだ!)
と以上みなさん感動して泣く訳ね。
漏れにはこの部分は、全然殺人動機がわからずつまらなかったのだが、【なおてぃー】さんみたくそう書いている人もいて納得、ほとんどの人は推理ものとしては真剣に見てないのね。
レビューの中で一つ気になったのは【もこたりん】さんではっきり他の人と違うことを感じてる。
『私は一滴の涙もこぼれませんでした。代わりにこみ上げてきたのは主人公の元巡査に対する「激しい怒り」に対する「激しい共感」でした。それは私の特殊な生い立ちのせいでしょう。』とあって、
主人公が怒って挙句に果てに殺人を犯すのはある意味では当たり前だと言ってる。