土曜日に開催された久里浜花火大会に行ってきた。
今年はアチコチの花火大会が中止ということで、花火好きのガールフレンドにせがまれ、
気が進まないまま遠出ということになったんだけど、これは思わぬ大当たりだった。
正直に言って、花火自体はたいしたことない。打ち上げ数は少ないし、スタンダードなものばかり。
目新しい演出もない。
しかし、・・・
@会場である久里浜港の形が良い。岸壁が高く、海面を見下ろすような形。
その為、海面に花火の光が反射して、鏡のように映るのが、はっきりと見える。
(こういう光景は、横浜港や隅田川の花火大会では、ベスト・ポジションを確保できた少数の人しか楽しめないし、
それだって、久里浜のように最適な角度で楽しめるわけではない)
A人が少ない。何千人もの見物客はいたが、横浜港や隅田川に比べたら、断然少ないし、
見物スポットが広いので、押し合いへし合いという感じにならない。
他の大規模大会での「人込みに揉まれた者たちの殺気立った雰囲気」というのが一切ない。
だから、落ち着いていて、みんなが最初から最後までニコニコしながら楽しんでいる。
B場内アナウンスが素晴らしい!
これに最も感動した。久里浜花火大会には初めて行ったのだが、毎年ああなのだろうか。
高校の放送部員かとも思えてしまうような、可愛らしい女の子の声で、最初から最後までアナウンスが続いていた。
(プロではなくて、明らかにつたない。実際、何度か言い間違えてたし、言い澱んでいた。
しかし、その素人っぽさが可愛かったし、小さな町の手作りイベントという感じが伝わって、とても良かった)
開始前に「会場および周辺は大変混雑しております。お足元に御注意ください」と繰り返していたくらいだったんで、
どこでもよくあるアナウンスだとしか思っていなかったのだが、この女の子が大会中も、
まるでDJのようにずっと喋っているんで驚いた。
開始時には「さあ、いよいよ花火大会が始まります。最初の一発目は皆さんのカウンドダウンと共に打ち上げたいと思います。
それでは御唱和ください。10、9、8、7、〜3、2、1!」
満場の観客たちが、この女の子のアナウンスに合わせて本当にカウントダウンの声を張り上げ、
「1!」の後に一発目が高々と打ち上がったのには、鳥肌が立つほど感動した。
花火連発の間にはアナウンスは止むのだが、小休止になると迷子の親御さんへの呼び掛けや落し物注意などの諸案内があり、
そして、中休みの時間には東北地震犠牲者への黙祷の呼び掛けがあった。
「皆さん、御起立ください。打ち上げ地点の左側が東北の方向です。
そちらに向かって黙祷を捧げましょう。それでは、黙祷!」
久里浜市長がしゃしゃり出て同じことを呼びかけたら、見物客の半分も従わなかっただろう。
女の子の可愛らしい、真摯な声での呼び掛けだったので、満場の見物客みなが心を素直に開くことが出来たのだ。
満場の客が立ち上がり、東北の方向に向かって黙祷を捧げていた。これにも感動した。
最後までこんなテンションで盛り上がりは続き、終了後、又も女の子のアナウンス。
「これで今年の花火大会は終了です。まだまだ暑い日が続きますが、元気を出してみんなで夏を乗り切りましょう!」
これを聞いて、よし!ガンバロウ!と本気で思った。ムチャクチャに感動した。
最後まで顔も見えず、名前も教えられないままだったけど、今年の主演女優賞はこのアナウンス女子に決定だ。
http://ichigo-up.com/cgi/up/qqq/nm38568.jpg (有料観客席から撮影したブレブレ写真)