【佐藤慶】激動の昭和史　東京裁判【小林正樹】

>>343
中国映画「東京裁判」、英語字幕入りDVDを入手したんで遂に見た。
思いの他、スタッフの技術がしっかりしている。
特に法廷セットの重厚感は、凄い。
比較すると、「プライド」での法廷がリカちゃんハウスに見えてしまう。
陰影深い撮影が見事。広い法廷内を縦横無尽にクレーン移動するカメラの躍動感もたいしたもの。
ストーリー構成も役者たちの演技も冷静で、
見る前は単なる反日映画かと予想していたのだが大間違いだった。
日本側の主張もきちんと描いていて、スタッフ側の一方的視点で批判してはいない。
東條英機役の役者はソックリ。
ただ、田中隆吉役は線の細い役者が演じていて、我々が知っている田中とは別人のよう。
あまりセリフのない役は中国人役者が演じているんだが、
セリフが少ないとはいえその当人に喋らせているのが気になった。
罪状認否の場面で、とても日本語とは思えないアクセントで、
「むじゃい」「みゅざい」「みーじぇい」と続けざまに喋られて、ここは失笑させられた。
それ以外の点では、日本人から見てもじゅうぶんに及第点。
国内で公開しても、「南京1937」の時のような騒ぎにはならないんじゃないか。