笠原和夫

このエントリーをはてなブックマークに追加
239この子の名無しのお祝いに
三島由紀夫の鋭い批評眼は文学のみならず、映画批評にも影響を与えたようですが、
三島は、公開当初批評家たちから完全無視されていた「総長賭博」(脚本:笠原和夫)を映画芸術の誌面上で絶賛し、当時やくざ物映画を冷遇視していた映画評論家たちの認識を一変させました。
三島は、戦後やくざ映画の「型」の頂点を究め、そのことによって逆に型を越えた人間の裸の感情を露出させたといえる脚本家の笠原和夫の感性をいち早く見抜いた訳です。
笠原はその後、ヒット作「仁義なき戦い」の脚本も書いた訳ですが、この作品の影響を受けた海外映画監督には、マーティン・スコセッジやタランティーノ等がいます。
三島の「総長賭博」の批評がなければ、「タクシードライバー」も「キルビル」も生まれなかったかもしれません。