>>36 「影武者」のラッシュ時、映像に全て既存のクラシック曲がつけられており、
黒澤は佐藤に対して
「こういう曲を作曲して」
という指示をした。
しかし、似て非なる曲を作るというのは作曲家としてはアイデンティーティー
を否定された気がして結構いやなモノらしい。(武満も同様なことを言っている)
また、付けられたクラシック曲がまた映像にドンピシャリ合っていたことから、
結局佐藤は創作意欲をなくし、「影武者」を降板した。
(予告編にはそのクラシック曲が使われている)
その後黒澤と組まなくなったのはこうした経緯があったことで何となく
気まずくなったのと、武満、池辺が黒澤にとって満足のいく仕事をしているので
あえて再び佐藤と組む必然性が無かったのではないかと思う。
しかし会わなくなってもお互いに気にかけていたらしい、その両名と親しい
映画評論家の西村雄一郎が佐藤と黒澤家を訪問しようと持ちかけていたが
残念ながら相次いで亡くなってしまった。