1 :
川の名無しのように:
中学を卒業し高校に進学してから幾日か経った。
僕には一つ違いの兄がいた。僕いつも兄に遅れをとっていた。それは僕にとってコンプレックスに他ならなかった。
僕は兄ほど腕っぷしは強くなかったし、喧嘩をすれば負けていた。
でもそんな兄は僕にとって兄は尊敬と憧れの対象だった。
2 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 15:54:56.06 ID:sufLy3uO0
兄が変わったのは中学に入ってからのことだった。
公立だった僕とは対照的に私立の中学に通っていた兄は同級生からいじめを受けていたのだ。
きっと兄は中学で全てを失ったのだろう。
学校から帰ってくる兄の姿を見ていれば何があったのかは想像に難くない。
3 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:00:26.29 ID:sufLy3uO0
父親は何も言わなかった。
父親はとても忙しい人物で家庭を省みないことなどよくあった。
兄がいじめにあっていることは推測していたのかも知れないが決して何も言わなかった。
その頃の僕は優秀な成績を残すことに躍起になった。
時には父親に誉められることもあった。その時の兄の目は今でも覚えている。
4 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:05:11.07 ID:sufLy3uO0
兄は中学を卒業した後、公立の高校に進学した。
僕は私立の進学校に進学した。
ここで僕は今まさに人生初となる挫折を味わっている。
学校に友達と呼べる人間はいない。
そして何より自分に向けられるたくさんの悪意に耐えられそうになかった。
5 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:10:06.04 ID:sufLy3uO0
さてどれくらい歩いただろうか。
僕が河川敷に向かっていたのは、誰でもなく兄に呼び出されたからである。
沈む夕陽の此方に一つの影がにじんでいる。
兄だ。
6 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:17:47.95 ID:sufLy3uO0
「−お兄ちゃん、待った?」
折り入って話したいことがあったのだそうだ。
この河川敷から見る夕陽はとてもきれいで、どこか物悲しい。
兄と学校のことや最近のことなど、他愛もない話をしている内にすっかりあたりは暗くなっていた。
7 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:25:02.13 ID:sufLy3uO0
結局僕が学校でいじめにあっていることは相談できなかった。
僕は誰からも嫌われてしまった。他の誰かに好かれるために。
そしてそれはもう後戻りできないところまできてしまったのだろう。
僕は今まで兄を怒らせないようにして生きてきた。
それも今日で終わりだ。
僕にはもう何も残っていなかった。
8 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:29:56.45 ID:sufLy3uO0
全身に悲しみを纏い僕は転がりこんだ。
「ごめんね」
??兄がそう言った気がした。気がしただけかも知れない。
昨日のことはもう水に流そう。
ありがとう
9 :
川の名無しのように:2014/10/13(月) 16:49:24.48 ID:sufLy3uO0
どれくらい経っただろうか。
弟はここから立ち去っていった。
じっと固まって動けない兄を残して。
兄がことの真相を知るのは後のことであろう。
だがその時兄は思った。
もう繰り返さないと心に誓った。
待つのではなく。
自分から造り出そうと。
誹謗中傷なんてない、本当に優しい世界を。
そこにはかつて弟の憧れたあの兄の姿が確かにあった。
∈ミ,・ω・ミ∋ダムー
11 :
川の名無しのように:2014/11/01(土) 16:28:52.86 ID:6JhBa+HC0
なにこれ
12 :
川の名無しのように:
うーんこの文才の無さ