基礎科学はほとんどウソつき競争

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79Nanashi_et_al.
2014年10月21日
4000万人を殺した1918年のインフルエンザウイルスを改造する狂気じみた研究が必要な理由とは
http://gigazine.net/news/20141021-1918-flu-re-creating/

通常、インフルエンザウイルスはアヒルなどの水鳥が運搬役となり、水鳥がウイルスを保有した状態で湖や海に
排便すると、水辺を介して豚など別種の動物に感染します。不運な条件が重なると、ブタがH5N3・H1N1の2種類
のウイルスを保有することがありますが、その後ブタの体内でほ乳類の免疫を通過できる新型ウイルスが現れる
ことがあり、これがヒトに感染することでパンデミックが始まります。

河岡氏の研究はウイルス変質の過程を人為的に発生させることで、ウイルスが自然変質する段階を見極めて防
衛策をあらかじめ講じる、というもの。インフルエンザウイルスは水鳥・ニワトリ・ブタ・馬・犬などを介して変質して
いきますが、インフルエンザをコントロールできれば、パンデミックに至る前に、例えば養鶏場などの巨額の損失
を未然に防ぐことができるとのことです。なお、河岡氏は獣医でもあります。

インフルエンザを根絶させることはできませんが、機能獲得型の対立遺伝子を研究することが、「インフルエンザ
によるパンデミックに対処する現実的方法の1つです」と河岡氏は主張します。なお、論争の的になっている改造
ウイルスについては、タミフルで治療可能であることを示しており、「大惨事」が起きるほど危険な研究ではないと
のことです。河岡氏によると、「厳重に管理された研究所で事故が起きるよりも、公園でアヒルに餌を与える方が
インフルエンザにかかる可能性は高いでしょう」と話しています。