[GEN 786] 宮崎口蹄疫騒動を検証する 原田 和明
世界の環境ホットニュース[GEN] 786号 11年2月16日
【第33回】 1997年の香港事件
http://www.melma.com/backnumber_90715_5107463/ 昨年「宮崎口蹄疫騒動」での牛・豚に続き、今年は鶏やハクチョウなどの殺処
分(皆殺し)が各地で行なわれています。その動機となっている「H5N1亜型の
鳥インフルエンザは強毒性で、しかも鳥からヒトに感染する恐れがある」とい
うことになった経緯を検証します。
1997年の香港で突然、鶏の大量死が起こり、さらにその原因と見られる鳥イン
フルエンザがヒトに感染(しかも数名が死亡)していたことが初めて確認され
たという事件が発生しています。これを「1997年の香港事件」と呼ぶことにし
ます。さらに翌年、鳥インフルエンザウイルスが第一次世界大戦末期に全世界
で4千万人が死亡したともいわれるスペインかぜウイルスとよく似ていること
が突き止められ、この一連の事件が鳥インフルエンザの恐ろしさを人類に知ら
しめることとなったのです。
そして、その防疫上の要請から昨今の鶏やハクチョウの全殺処分が行なわれて
いるわけです。しかし、この香港事件の詳細を追っていくとおかしなことばか
りが出てきます。
(中略)
このように、それまで誰も信じていなかった「ヒトが鳥インフルエンザに感染
する」という仮説が常識化していった経緯は実に怪しげなものばかりです。
>>17 ここで、疑惑の人物が二人います。WHOの「鳥インフルエンザウイルス共同
研究センター」所長のロブ・ウェブスターと香港大学のケネディ・ショートリ
ッジの二人です。二人はこの当時、豚が鳥とヒトの橋渡しをしているとの説を
展開、「鳥インフルエンザが既にヒトへの感染能力を獲得している」と主張し
ていた数少ない専門家でした。ショートリッジはさらに、鳥インフルエンザの
震源地は アジア、特に 中国南部であると主張していました。(ジーナ・コラ
ータ「インフルエンザ ウイルスを追う」ニュートンプレス 2000)その彼らが
香港事件の調査に当たっていたのです。
1997年の暮れ、この二人は香港で大活躍しています。香港での調査には、米国
CDCが福田敬二を含む 7人の研究者を派遣した他は、ウェブスターが独自に
調査団を結成して参加しています。この調査団に現在の鳥インフルエンザ政策
を取り仕切っている研究者たちがこぞって参画していました。
(中略)
河岡は「生鳥市場が鳥インフルエンザの源だった」と書いていますが、時系列
からいえば、「ウェブスターや河岡らの調査団が鳥インフルエンザの源だった」
可能性があることを指摘しておきたいと思います。
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