クサガメは外来種だった! 遺伝子汚染に保護見直しも
2010.7.31 14:43
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100731/scn1007311450001-n1.htm >京大大学院の疋田努教授(動物系統分類学)と大学院生の鈴木大さんは本州、四国、
九州の計19カ所の河川で野生のクサガメ132匹を捕獲。ミトコンドリアDNAを分析した
結果、日本の在来種ではないことを突き止めた。アジア産のクサガメとDNAを比べると、
約8割の102匹は韓国と一致した。
>一方、江戸時代の動植物を網羅した書物でクサガメを調べたところ、貝原益軒の
「大和本草」(18世紀初頭)に記載はなく、小野蘭山の「本草綱目啓蒙」(19世紀初頭)
には記載されていたことなどから、18世紀末の江戸後期に日本へ移入されたと推定した。
>当時の大陸との交易ルートは(1)中国から長崎(2)朝鮮から対馬を経て福岡−の2経路。
長崎に滞在したドイツの博物学者、シーボルトの著作にクサガメは見当たらず、朝鮮から
持ち込まれたのがルーツと結論付けた。愛玩用だったらしい。
>野生のクサガメは日本の固有種であるニホンイシガメと交雑し、この雑種は繁殖力がある
ことも判明。放置すれば貴重な固有種の遺伝子や生態系を損なう恐れがある。疋田教授は
「ニホンイシガメの生息地ではクサガメをきちんと駆除すべきだ」と話す。
>外来種問題に詳しい国立環境研究所の五箇公一主席研究員は「科学的なデータに基づい
て検討し、国民的な議論を踏まえて決める必要がある」と話している。