脳が時間を計る仕組み 解明
3月2日 4時48分 NHKニュース 科学・文化
会話の時に一定の間を空けるなど、ヒトが次の動作のタイミングを計って行動するときには、大脳の一部
の領域が決められた時間を記憶したうえでその時間を計っていることを、東北大学の研究グループが
解明しました。
この研究を行ったのは、東北大学医学部の虫明元教授らのグループです。研究グループは、猿にランプ
がついてから一定の時間をおいて手をあげるよう覚えさせ、その間の脳の働きを調べました。その結果、
大脳の一部で運動の制御にかかわる部分と考えられている前補足運動野と呼ばれる領域で、ランプが
ついた瞬間に活動する細胞と手をあげるまで活動を続ける細胞が見つかりました。このことから、研究グル
ープは前補足運動野が決められた時間を記憶し、その時間を計っていることがわかったとしています。
会話のときに一定の間を空けるなど、ヒトが次の動作のタイミングを計って行動するとき、脳のどの部分が
制御しているのかはこれまで判明しておらず、前補足運動野がかかわっているのがわかったのは、初め
てだということです。虫明教授は「体の不自由な人が『何をしたい』かを読み取って、動きを支援する装置は
開発されているが、研究が進めば『いつ、何をしたい』かを読み取って支援する装置の開発にも役立てら
れる」と話しています。この研究結果は、アメリカの科学誌『ネーチャー神経科学』のインターネット版に
掲載されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014481821000.html#