【弱毒性からの変異を懸念】鳥インフルエンザウイルスは通常、水鳥がもつもので、本来、ウズラにはない。
何らかの理由でウイルスがウズラに感染し、飼育→採卵→ふ化→飼育といった自己完結型サイクルの中で、
定着したと考えられ、鶏には感染しないという報告もある。
一方、研究者の中には、見つかったH7N6亜型は弱毒性で、現時点では人間に感染しないが、「いつ何時、
強毒性に変異するかも知れない」と指摘。今後とも厳格に予防法を適用していく意見もある。
【政治問題に】ウズラの処分をめぐって、農水省を中心にした国の見解と、養鶉農家のある愛知県、豊橋市など
の地元の意見とが大きく異なり、いわば仲裁を石破農水相に申し出た段階で政治問題に発展した。可能性を
めぐる議論になっており、きちっとした判断が求められる。
「ウズラのことを知らぬ」業者の声
ウズラは家きんとしての歴史が約50年と浅いこと、および全国的に見てマーケットがそれほど大きくないこと
などから、研究者(大学)も少なく、ウズラの研究はほとんど進んでいない。
今回も、鶏に準じて家畜伝染予防法を適用した。ウズラの特殊性など固有な条件に留意することなく、鶏の
ルールをもってすべてを殺処分にした。
今月7日に農水省の疫学調査チームが来豊して第1回検討会を開いたが、メンバーの中には飼育舎を見た
ことのない研究者も含まれていた。「一体ウズラのことがどこまで分かるのか」といった関係者の声が聞かれた。
http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=27287&categoryid=1