>>61 【鶏インフルエンザに関する東京大学河岡義裕教授の講演を聴講して】
日時:平成13年8月22日(水)12:00〜
場所:ホテル聚楽(東京都千代田区)
・インフルエンザウイルスは、馬・アザラシ・鯨を含めた各種動物に感染する。
・本来的にはインフルエンザウイルスは野生の鳥類(水禽類)が保有している。
参考:野生カモによる調査事例のウイルス分離率 幼鳥 20%、成鳥 1%以下。
・インフルエンザウイルスは体内で増殖 → 糞中に排泄 → 水中(にも存在)
・インフルエンザウイルス型には、H1〜15の15種存在
この内で、警戒すべき強毒タイプはH5、H7、H9の3種。
・特に関心の高いインフルエンザ発生事例の型
1983年の米国ペンシルベニア州の例 H5N2
1997年の香港の例 H5N1(人間にも感染、死亡例)
・野鳥が入ってこない鶏舎形態ではインフルエンザ発生の可能性は低い。
・アメリカ、香港にある各種鳥類を扱う生鳥市場の存在はインフルエンザ発生の観点からは極めて危険。
・インフルエンザ初発時の養鶏場での発生報告及びその対応(殺処分)が迅速に行なわれれば(比較的?)安全。
・弱毒ウイルスであっても強毒ウイルスに変化する可能性が強い。
参考:1993年のメキシコでの発生例は、弱毒段階のものが全国に拡大汚染して1995年12月に強毒化した。
・ワクチン(不活化)は有効であるが、発生時においてはワクチン接種よりも殺処分が最も有効。
・弱毒のH5,H7は必ず2年以内には強毒タイプに変化する。弱毒段階の感染鶏のうちに殺処分すべきである。
・鶏卵内に移行するウイルス(1〜10個程度)レベルでは発病にまでは至らない。
・発生時対応としての
(1) 周辺養鶏農場のワクチン接種と
(2)周辺養鶏場の鶏殺処分の防疫上の意義は同等レベルのものである。
・このウイルスは乾燥及び石鹸に弱いことが特徴。凍結では長期間生存。
・(鶏卵、鶏肉については、日本の衛生水準からみてほとんど問題ないが、加熱して食用すればさらに問題はない。)
文責 : 社団法人 日本養鶏協会事務局
http://www.jpa.or.jp/news/item/2001/08/22/010822_cho_ko.html >1997年の香港の例 H5N1(人間にも感染、死亡例)
「インフルエンザ危機(クライシス) 」
http://www.amazon.co.jp/dp/4087203131/ p.121〜
『「ホンコンの生鳥市場を調査したいのだが、誰か一緒に行く研究者はいないだろうか?」
ホンコン事件が起きたとき、私に電話でこう言ってきたのは、少し前にセント・ジュードか
ら私を送りだしてくれたばかりのドクター・ウェブスターだった。セント・ジュードには彼に
同行するウイルス学者が一人しかいないため、ウィスコンシンの私に合同調査を提案してきた
のである。私はこの申し出を受け、北大時代の恩師・喜田宏先生に話をもちかけた。こうして
喜田先生の研究室の高田礼人助手(現北海道大学教授)や鳥取大学の伊藤寿啓教授も加わり、
97年11月にホンコンへと向かった。このときの調査は大いに成果をあげ、ホンコンで人に
うつった鳥インフルエンザの源は、やはり生鳥市場にあったことが分かったのである。
97年の12月になると、ホンコンの衛生局はニワトリやカモなど家禽類150万羽の殺処分
を実施した。この時点ですでに18人が感染し、そのうち6人が命を落としていたが、殺処分
を境に感染は終結した。しかし、これが終結ではなく、始まりだったことがのちに分かる。
現在、ニワトリや人間を襲っているのは、97年にホンコンで分離された鳥ウイルスの子孫
なのだ。』
>現在、ニワトリや人間を襲っているのは、
>97年にホンコンで分離された鳥ウイルスの子孫
宮崎のH5N1もそうだったわけ?
鳥H5N1と、(人)A/H5N1がごっちゃになってなきゃいいけどね・・・。
病気を起こさない格好でウイルスの(不顕性)感染はざらにあると思うけどね。