1 :
午後の最後の査読 :
04/08/03 07:47 完璧な論文などといったものは存在しない。完璧な絶望が 存在しないようにね。
2
3 :
Nanashi_et_al. :04/08/03 08:08
僕が卒論提出に追われているころ偶然にも知り合った助手は僕に向ってそう言った。 僕がその本当の意味を理解できたのは今年の4月1日のことだったが、 少くともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。 完璧な論文なんて存在しない、と。 しかし、それでもやはり借りたデータで投稿という 段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。 一学生に扱うことのできる領域はあまりにも限られたものだった からだ。例えば収束と条件数について何かが書けたとしても、 複素空間での収束証明については何も触れないかもしれない。 そういうことだ。 2年間、我が研究室はそうしたジレンマを抱き続けた。---2年間。長い歳月だ。 もちろん、あらゆるものから何かを学ぼうとする姿勢を 持ち続ける限り、留年を起こすことはそれほどの苦痛では ない。これは一般論だ。 4月を少し過ぎたばかりの頃からずっと、僕たちはそういった 対応を取ろうと努めてきた。おかげでライバル研究室から何度と なく手痛い打撃を受け、欺かれ、誤解され、また同時に 多くの不思議な体験もした。様々な留学生、聴講生がやってきて我々に 語りかけ、まるで橋を渡るように音を立てて研究室の上を通り過ぎ、 そして二度と戻ってはこなかった。我々はその間じっと口を 閉ざし、何も語らなかった。 そんな風にして我々はreject後最初の月を迎えた。
ワロタ
5 :
Nanashi_et_al. :04/08/03 08:27
「悪いけど、今ソースコードを書いてるんです。あとでかけなおして くれませんか?」 「ソースコード?」、女はあきれたような声を出した。「修論提出の1週間前に ソースコードを書いているの?」 「あなたには関係ないことでしょう。何日に何を書こうが僕の勝手だ」、 僕はちょっとむっとして言った。 「それはそうね」、女は表情のない乾いた声で言った。ちょっとした感情の 変化で声のトーンががらりとかわるのだ。「まあいいわ。あとでかけなおすから」 「ちょっと待って」、僕はあわてて言った。「どこかの電力会社だとしたら、 何度電話をかけてきたって無駄ですよ。こっちは実験中の身だし、テストを している余裕なんてないから」 「知ってるから大丈夫よ」 「知ってるって何を」 「だからまだ実験中なんでしょう。知ってるわよ、そんなこと。だから早くあなたの 大事なソースコードを書いていれば」 「ねえ、あなたはいったい…」と言いかけたところで電話が切れた。すごく唐突な 切れ方だ。
6 :
Nanashi_et_al. :04/08/03 09:10
「まあ当分会うこともないと思うけど元気でな」と別れ際に永沢さんは言った。 「でも前にいつか言ったように、ずっと先に変なプロジェクトでお前に会いそうな気がするんだ」 「楽しみにしてますよ」と僕は言った。 「ところであのときとりかえっこした担当卒論生だけどな、国I志望じゃない奴の方が良かった」 「同感ですね」と僕は笑って言った。 「でも永沢さん、学振のこと大事にした方がいいですよ。あんな良い職なかなかないし、 あの制度見かけより脆弱だから」 「うん、それは知ってるよ」と彼は肯いた。 「だから本当を言えばだな、俺の後をワタナベがひきうけてくれるのがいちばん良いんだよ。 お前とNAISTならうまくいくと思うし」 「冗談じゃないですよ」と僕は唖然として言った。 「冗談だよ」と永沢さんは言った。「ま、幸せになれよ。いろいろありそうだけれど、 お前も相当に頑固だからなんとかうまくやれると思うよ。ひとつ忠告していいかな、俺から」 「いいですよ」 「PDに同情するな」と彼は言った。「PDに同情するのは下劣な博士のやることだ」 「覚えておきましょう」と僕は言った。そして我々は握手をして別れた。彼は新しい プロジェクトへ、僕は博士論文のぬかるみへと戻っていった。
7 :
Nanashi_et_al. :04/08/03 11:02
8 :
Nanashi_et_al. :04/08/03 11:23
やれやれ、最近の理系ヲタ共は村上春樹も読まないらしい。
村上春樹「も」 って何だよw
マトリックスとか燃えよドラゴンみたいなのみてさ、
自分まで強くなった気になる奴いるじゃん?
あれと同じでさー、村上春樹読んだ奴ってさ、
自分まで頭良くなったって思い込んじゃう馬鹿がいるんだよねー。
例えば
>>8 みたいな。
>>6 ワロタ 吉野屋シリーズに次ぐ春樹ネタが始まりそうな予感
12 :
Nanashi_et_al. :04/08/04 00:14
13 :
Nanashi_et_al. :04/08/04 14:50
村上春樹読んでも頭よくなったと思い込んだりすることあはありえんが、 主人公の斜に構えた態度とか、変な比喩とかにはすごい影響される。 ウェブで村上春樹の書評とかうpしてる奴なんか、みんなもろに影響されてて、 村上春樹そのままの文体になっててもう読んでて寒気がしてくる。 そういう意味で燃えよドラゴン的な効果があるってのは正しい。
読んだことないや。<村上春樹
15 :
Nanashi_et_al. :04/08/04 17:26
理系が読むなら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だな
読まなくていいよ
17 :
Nanashi_et_al. :04/08/04 18:55
まあな。 他に読むべきものはいくらでもある
18 :
Nanashi_et_al. :04/08/05 01:42
でも池澤夏樹とか好きな人には村上春樹もしっくりくるかも。池澤は物理学科 中退のバリバリ理系作家(特に初期作品群)だけど、エッセイの中で ノルウェイの森を取り上げてるし。 でも研究ガリガリの理系くんには一生縁がない類の話が多いからこの板では 受け入れられないだろうなあ。。。めちゃくちゃ文系な香りがするし。 やれやれ。
双子を見わける方法はたったひとつしかなかった。 彼女たちが着ている白衣である。 くたびれた白衣で胸には青い刺繍で数字がプリントされていた。 ひとつは「208」、もうひとつは「209」である。 その番号は何を意味するのか、と僕は二人に訊ねてみた。 何も意味しない、と彼女たちは言った。 「機械の製造番号みたいだな。」 「何のこと?」と一人が訊ねた。 「つまりさ、君たちと同じようなのが何人も居てさ、 そのNO・208とNO209ってことさ。」 「まさか、」と209が言った。 「オーケー、じゃあこうしよう。」と僕は言った。 「君を208と呼ぶ。君は209。それで区別できる。」 僕は二人を順番に指さした。 「無駄よ。」と一人が言った。 「何故?」 二人は黙って白衣を脱ぎ、それを交換してするっとはおった。 「私は208。」と209が言った。 「私は209。」と208が言った。 僕はため息をついた。
「たしか君は修論で情報工学を専攻していたな」と教授は尋ねた。 「理系全般@2ch掲示板についてどの程度のことを知っている? 「何も知らないのと同じですよ。僕が学んだのはもっとまともな専門的なことですからね」 「知っていることだけを話してくれ」 「DQNの吹き溜まり。低学歴と高学歴の二極分化。たしかミレニアムと騒がれていた頃に 設置されたはずです。教授に成りすましてポスドクを煽るなどして現実の投稿リジェクトを 忘れるのに利用されている。そんなところですかね」 「そおとおりだ」と教授は言った。「ただ細かいところを訂正すると、低学歴と 高学歴の二極分化があるのではなく、低学歴と高学歴ぶりたい低学歴がいるだけだ。 理系全般板に高学歴は存在しない」
「私ね、この前助手の前で裸になっちゃったの。全部脱いでみせてあげたの。 はい。これオッパイよ、これオマOコよって」 「なんでまた」 「だってこれから一緒に研究するわけでしょ?見せてもいいじゃない。」 「ふむ」 「教授が来て腰抜かしてね。だって私が助手の前で裸になって股広げてるんで すもの」 ひさしぶりに読みかえしてしまった。。。
23 :
Nanashi_et_al. :04/08/05 13:00
>>22 超有名なノルウェイの森からですよ。
教授じゃなくてお父さんだけど、実際は。
>>23 お父さんじゃくて姉貴だろ。で、助手のところがお父さん。
とりあえずsageつつ、さらにノルウェイから。
「それから君のフェラチオすごかったよ。」
直子は少し赤くなって、微笑んだ。「教授もそう言ってたわ。」
「僕と教授は趣味とか意見とかが良く合うんだ。研究方針は全然合わないけど。」
彼女は少しずつ教授の話ができるようになっていた。
『あの人は学生なんですか、それとも助手の方ですか?』と僕はレイコさんに訊いてみた。 『どっちだと思う?』 『どちらか全然見当がつかないですね。いずれにせよあまりまともには見えないけど。』 『助手よ。宮田さんって言うの』と直子が言った。 『でもあの人この研究室じゃ一番頭おかしいわよ。賭けてもいいけど』とレイコさんが言った。 『技官の大村さんだって相当狂ってるわよねえ』と直子が言った。
『うん、あの人狂ってる』とレイコさんが学生のレポートをボールペンでつつきながら肯いた。 『だって毎朝なんだかわけのわからないこと叫びながら無茶苦茶な実験してるもの。 それから直子の入ってくる前に木下さんって言う秘書の女の子がいて、この人はノイローゼで自殺未遂したし、 徳島っていうプログラマーは去年アルコール中毒がひどくなって辞めさせられたし』 『学生とスタッフを全部入れ替えてもいいくらいですね』と僕はあきれながら言った。 『まったくそのとおり』とレイコさんはボールペンをくるくる回しながら言った。 『あなたもだんだん世の中の仕組みがわかってきたみたいじゃない』 『みたいですね』と僕は言った。 『私たちがまともな点は』レイコさんは言った。『自分たちがまともじゃないってわかっていることよね』
このスレすごくおもしろいです。 理系の村上春樹ファンなので。
28 :
Nanashi_et_al. :04/08/05 16:06
やれやれ、また実験か。
生物学科出で翻訳やってる主人公 研究で食ってく見込みがなくなったから まさに俺がそうなりそうだ
30 :
バートバカラックはお好き? :04/08/05 22:22
僕はあのとき実験を止めるべきだったのだろうか。 これがこの論文のテーマだ。 僕にはわからない。 歳をとってもわからないことはたくさんある。
31 :
Nanashi_et_al. :04/08/06 00:38
「あなたは本当に研究する気があるの?」 彼女が真剣な目で僕を見ていた。 「どうだろう、よく分からないな。正直なところ、僕にはさしあたって研究しなければならない理由が無いんだ」 途端に彼女の表情が険しくなった。 「どうして?」 「コネがあるからさ。何もしなくても博士課程に進める。」 「博士課程が終わって職が見付からなかったらどうするの?半年後にはあなたは25歳で、第二新卒でもなくなるわ。 それに、一日中パソコンの前で座っているようなあなたに一体何が出来るっていうのよ?」 彼女の言うとおりだった。僕は彼女と目を合わさないようにビールを一口飲んだ。 「やれやれ」
これは 研究活動 についての小説である。 学部資料 の序文はこのように語っている。 「あなたが研究から得るものは殆ど何もない。 論文の厚さに置き換えられたプライドだけだ。 失なうものは実にいっぱいある。 歴代学部長のボーナスを全部払えるくらいの自腹での研究費と (もっともあなたにこの10年1報も投稿していない教授にボーナスを払う気があればのことだが)、 取りかえす事ことのできぬ貴重な時間だ。
33 :
Nanashi_et_al. :04/08/06 07:45
それはある教授のために論文を代筆するという仕事だった。 僕と助手とで参考データ幾つか検証し、助手が実験の方針を決定し、僕がそれを コーディングする。全部で3行。教授というのはそういう仕事を求めているし、 誰かがそういうソースコードを書かなくてはならない。ごみ集めとか雪かきと 同じことだ。だれかがやらなくてはならないのだ。好むと好まざるとにかかわらず。
35 :
Nanashi_et_al. :04/08/07 08:50
ねえ羊男、ここはひどい研究室だよ。
様々な想いが僕の頭に脈絡もなく浮かんでは消えていった。様々な人の姿が ソースコードで覆い尽くされたモニターの上に浮かんでは消えた。 あなたのせいじゃない、と彼女は言った。そして何度も首を振った。あなたは 悪くなんかないのよ、精いっぱいやったじゃない。 違う、と僕は言う。テストモデル作成、負荷テスト実施、再測定。違うんだ。 僕は何ひとつ出来なかった。指一本動かせなかった。でも、やろうと思えばできたんだ。 学生にできることはとても限られたことなのよ、と彼女は言う。 そうかもしれない、と僕は言う、でも何ひとつ終わっちゃいない。いつまでもきっと同じなんだ。
「予定が変更された」と聞き覚えのある声が言った。「教授の具合が急に悪く なったんだ。もう余り時間がない。だから君のタイム・リミットも繰り上げられる」 「どれくらい」 「一ヶ月。それ以上は待てない。一ヶ月たってもデータの異常値がなくならなければ、 君はおしまいだ。君が戻るべき場所はもうどこにもない」 一ヶ月、と僕は頭の中で考えてみた。しかし僕の頭の中では時間の観念が取り返し のつかないくらい混乱していた。一ヶ月でも二ヶ月でもたいした違いがないように思 えた。そもそも一行のバグを探し出すのに一般的にどれくらいの時間がかかるかという 基準がないのだから仕方がない。 「よくここの場所がわかりましたね」と僕は言ってみた。 「我々には大抵のことはわかる」と男は言った。 「バグの場所以外はね」と僕は言った。 「そういうことだ」と男は言った。
38 :
Nanashi_et_al. :04/08/07 10:56
暇なので連続投稿。まずはノルウェイから。 「永沢君、あなたはわたしの論文もべつに理解しなくったっていいと思ってるの?」 とハツミさんが訊いた。 「君にはどうもよくわかってないようだけれど、 人が論文を理解するのはしかるべき時期が来たからであって、 迷惑を被っている学生がポスドクになんとかしてほしいと望んだからではない」 「じゃあ私が誰かにきちんと論文を理解してほしいと望むのは間違ったことなの? たとえばあなたに?」 「いや、べつに間違っていないよ」と永沢さんは答えた。 「まともな人間はそれを研究と呼ぶ。もし君が論文を理解してほしいと思うのならね。 うちの研究室はまともな大学の研究システムとはずいぶん違うんだよ」 「でも読もうとはしてはいないのね?」 「だから君は研究室のシステムを−−−」 「システムなんてどうでもいいわよ!」とハツミさんがどなった。 彼女がどなったのを見たのはあとにも先にもこの一度きりだった。
「ね、ここにいる人たちがみんな徹夜しているわけ?カタカタって?」と緑は研究棟を見上げながら言った。 「たぶんね」 「徹夜の人って学位のこと考えながらあれやるわけ?」 「まぁそうだろうね」と僕はいった。 「株式相場とか動詞の活用とかスエズ運河のことを考えながら徹夜をする学生はまあいないだろうね。 だいたいは学位のことを考えながらやっているんじゃないかなあ」
40 :
Nanashi_et_al. :04/08/09 12:10
僕は一時間、その実験室で再測定と書かれたビーカーの盛られた机をぼんやり見つめていた。 ちょうど一時間後に、黄色く変色したワイシャツを着た助手がやってきて、 そのビーカーをしまっていいか、と遠慮がちに聞いた。僕は肯いた。 さて、と僕は思った。 ここから脱走するべき時だった。
41 :
Nanashi_et_al. :04/08/10 22:51
おもしろい
かっこう
43 :
Nanashi_et_al. :04/08/11 22:36
理系的雪かき
44 :
Nanashi_et_al. :04/08/12 17:02
突撃隊はある国立大学で生物学を専攻していた。 「僕はね、い、い、遺伝子の勉強をしているんだよ」 と最初に会ったとき、彼は僕にそう言った。 「遺伝子はおもしろいの?」と僕は訊ねてみた。 「うん、学部をでたら大学院に入ってさ、い、い、遺伝子の研究するんだ」 なるほど世の中にはいろんな希望があり人生の目的があるんだなと 僕はあらためて感心した。 それは東京に出てきて僕が最初に感心したことのひとつだった。 たしかに遺伝子に興味を抱き熱意を持った人間が少しくらいいないことには ーあまりいっぱいいる必要もないだろうけれどー それは困ったことになってしまう。 以上ノルウェイの森からでした。
47 :
Nanashi_et_al. :04/08/13 01:03
「そうじゃなくて」と僕は言った。 「そうじゃないなら一体何なの?研究をするのがそんなに悪いことかしら?」 やれやれ。まったくここはひどい研究室だ。 実験されなかった試料はそのうち――結構な数の結果が出ているのにもかかわらず―― 廃棄されてしまう事くらい僕にだってよく分かっている。 しかし何かが違うのだ。 研究。そう、研究だ。 ただ研究中、と宣言することは、この場所にはひどく不似合いなように思えるのに、 かといってそこで行うべき研究がいったい何なのか、僕には見当もつかないのだ。 どうすればいい?と僕は思った。 僕は氷が溶けて薄まったオレンジ・ジュースの残りを一息に飲み干すと、静かにキーを叩いた。 『age』――いや、そうじゃないんだ。
48 :
Nanashi_et_al. :04/08/13 17:01
漏れら極悪非道のageブラザーズ! 今日もネタもないのにageてやるからな!  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧_∧ ∧_∧ age (・∀・∩)(∩・∀・) age (つ 丿 ( ⊂) age ( ヽノ ヽ/ ) age し(_) (_)J
片桐が研究室に戻ると、卒業したはずの巨大な院生が待っていた。 立ち上がった背丈は2メートル以上ある。体格もいい。 身長1メートル60センチしかないやせっぽちの片桐は、 その堂々とした外見に圧倒されてしまった。 「ぼくのことはオーバードクターと呼んで下さい」 と院生はよく通る声で言った。 片桐は言葉を失って、ぽかんと口を開けたまま入り口に突っ立っていた。
50 :
Nanashi_et_al. :04/08/17 22:05
やれやれ。 僕はまた空ageをしてしまった。
51 :
Nanashi_et_al. :04/08/28 01:10
朝、目が覚めると僕の両側で双子が実験をしていた。
いつものことだ。
53 :
Nanashi_et_al. :04/08/28 18:17
教授の南、助手の西
54 :
Nanashi_et_al. :04/08/29 18:23
リケイはあたまがわるいので ブンケイさんの仰ってることが理解できませんです
55 :
Nanashi_et_al. :04/08/29 18:24
56 :
Nanashi_et_al. :04/08/29 19:01
マン汁ピュッピュ マン汁ピュッピュ
58 :
Nanashi_et_al. :04/10/19 14:59:02
2get
59 :
Nanashi_et_al. :04/11/14 15:20:19
http://www.eigotown.com/culture/story/limericks/limericks.shtml 『五行でわかる日本文学 英日狂演滑稽五行詩(リメリック)』 ロジャー・パルバース(著) / 柴田元幸(訳)
<<< Murakami Haruki 村上春樹 >>>
He is the great Japanese challenger
Who took on the pugnacious Salinger
To him we're be'Holden
For a translation that's golden
And a Caulfield who's raunchy and mad at ya!
あっぱれ日本の チャレンジャ−
翻訳したのは サリンジャー
おかげで新たな ホールデン
読者は感謝 しておるでん
インチキ大人に 怒ってるんじゃ!
### 感心したので自分でも作ってみた:
"Untranslatable" meant nothing to the man
Who brought Finnegans Wake to Japan.
Yanase Japanized proper
James's jumbled jabber
To reJoyce the delighted [tout le monde] !
ジェム辞典からジョイスティック
駆使して完成「フィネガンズ・ウェイク」
柳瀬尚紀の巨大語彙
唯一抜けてるものが凄い
それは「翻訳不能」の一句 !
(パルバースも私も、ハズミで凄い「ヨイショ」しちゃったぜ。)
FW limericks in E&J (C) by stzz
http://jbbs.livedoor.jp/study/4383/
やれやれ…。
61 :
Nanashi_et_al. :04/11/26 02:43:14
自殺とかは止めろよ。
62 :
Nanashi_et_al. :04/11/26 02:54:42
理系だけどミシマ派
こうぼうあべのボックスマン最高
64 :
Nanashi_et_al. :04/11/28 02:06:28
百科事典棒 てかノルウェイの森より世界の終わりのほうがはるかによい
「悪いけど、今コンボの練習をしてるんです。 対戦ならあとにしてくれませんか?」 「コンボ?」、女はあきれたような声を出した。 「大会開始の30分前にコンボの練習をしているの?」 「あなたには関係ないことでしょう。何時に何をしようが僕の勝手だ」 僕はちょっとむっとして言った。
66 :
¥ :2005/04/28(木) 10:27:43
「あなたは本当に研究する気があるの?」 彼女が真剣な目で僕を見ていた。 「どうだろう、よく分からないな。正直なところ、僕にはさしあたって研究しなければならない理由が無いんだ」 途端に彼女の表情が険しくなった。 「どうして?」 「コネがあるからさ。何もしなくても博士課程に進める。」 「博士課程が終わって職が見付からなかったらどうするの?半年後にはあなたは25歳で、第二新卒でもなくなるわ。 それに、一日中パソコンの前で座っているようなあなたに一体何が出来るっていうのよ?」 彼女の言うとおりだった。僕は彼女と目を合わさないようにビールを一口飲んだ。 「やれやれ」
67 :
Nanashi_et_al. :2005/04/30(土) 05:36:18
「日本人の英語って少し読むとすぐにわかるんです」と女子学生は言った。 「冠詞の使い方が中国人より下手だから?」 彼女は笑った。彼女を笑わせるのはとても楽しかった。ODの私にだってまだ女の子を笑わせることはできるのだ。 「そうじゃなくて言い回しがとくべつなの」と彼女は言った。 「まるで賢いオウムが翻訳機を使って音声を無理矢理直訳したような言い回しなんです」 「良い表現だ」と私は言った。良い表現だった。 私は日本人による英語論文の書き方に関する本を何冊か読んだがそれほど適切な表現に出会ったことは一度もない。 簡潔にして要を得ている。私がそういうと彼女は少し顔を赤らめた。 「よくわからないわ。ただそう感じるだけなんです」 「考えたことをまとめて自分のことばで表現するっていうのはすごくむずかしいことなんだよ」と私は言った。 「みんな色んな実験をするけど、そこから意味のある仮説を導き出せる人はあまりいない」 「Natureに載せるのが夢なんです」と彼女は言った。 「きっと良い論文が書けるよ」と私は言った。 「どうもありがとう」と彼女が言った。 (村上春樹, "世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド", 新潮社, 1985)
68 :
ハードボイルド・ワンダーランド :2005/04/30(土) 14:44:36
荷物を引き払ってしまったあとの部屋は、寂れた国内学会の最終日の朝みたいにがらんとして静かだった。 古本屋すら引き取ってくれなかった古書が部屋のあちこちにいくつか置いてある。 「英語のペーパーがひとつもない」と私は言った。 「これにひとつあるわ」と彼女が言って床に転がったラットさえも読まないような論文誌を指さした。 たしかにひとつだけあった。屑のような雑誌に、コネでゴリ押しした糞みたいな論文が一本引っかかっていた。 「たいしたペーパーじゃない」と私は言った。「ペーパーのうちに入らない」 彼女は論文誌を拾うとめくって読んだ。「そうね、たしかにつまらないわね」と彼女は言った。 我々は長い間何も言わずにそのくたびれた論文誌を眺め、それから二本目のビールのふたをあけて飲んだ。 「どうして研究を辞めたの?」と彼女が訊いた。 「食事のとき食べ物より薬の方が多くなったから」と私は言った。 「冗談でしょ?」 「自殺したメンヘルドクターの遺書にそういう記述があったんだ。親御さんに見せてもらった」 「本当はどうなの?」 「簡単だよ。二年か三年前から研究がうまくいかなくなっていったんだ。情熱も涸れたっきり二度と戻らなかった」 「それからずっと論文を出してないの?」 「そうだね」と私は言ってビールを口にふくみ、ゆっくりと飲みこんだ。「特に親身に指導してくれる教官もいないからね」 「研究室ではうまくいっていなかったの?」 「研究室ではとてもうまくいっていた」と言って、私は手に持ったビールの缶を眺めながら言った。 「でもそんなのは物事の本質とはあまり関係ないんだ。二人で論文を書いても頭に名前が載るのは一人だ。僕の言うことはわかる?」 「ええ、わかると思うわ」
お前らせっかくのGWに何してんだよw
私は研究の世界からドロップアウトしたくはなかった。 目を閉じると私は自分の心の揺らぎをはっきりと感じることができた。 それは哀しみや喪失感を超えた、私自身の存在を根底から揺り動かすような深く大きなうねりだった。 そのうねりはいつまでもつづいた。私はベンチの背もたれに肘をついて、そのうねりに耐えた。 誰も私を引き上げてはくれなかった。誰にも私を引き留めることさえできないのだ。 ちょうど私がどんなテーマも論文にまとめあげることができなかったのと同じように。 私は声をあげて泣きたかったが、泣くわけにはいかなかった。 涙を流すには私はもう年をとりすぎていたし、あまりに多くの時間を怠けて過ごしすぎていた。 世界には悔いることさえ許されない過失というのが存在するのだ。 それは誰にも責任を問うことはできないし、たとえ弁明を許されたとしても、誰にも同情してもらうことのできない種類のものなのだ。 その責任はどのような形に変えることもできず、風のない夜の雪のようにただ静かに自分に降り積もっていくだけのものなのだ。
71 :
Nanashi_et_al. :2005/08/04(木) 15:02:36
良スレage
火星の井戸きぼんぬ
「捏造は鞭のようなものなんだね?」と僕は質問した。「"羊"が研究者をあやつるための」 「そのとおりだよ。あれをしてしまうともう"羊"からは逃れられないんだ」 「先生の目指していたものはいったい何だったんだ?」 「先生は狂っていたんだよ。きっとあの坩堝の風景に耐えられなかったんだな。 "羊"は彼を利用して権威ある学会機構を作りあげた。そのために"羊"は彼の中に入り込んだんだ。 いわば使い捨てさ。思想的に先生はゼロさ」 「そして先生が失脚した後に君を利用してその学会を引き継ぐことになっていたんだね」 「そうだよ」 「その後には何が来ることになっていたんだ?」 「学際性を盾に取った完全にアナーキーな観念の学会だよ。そこではあらゆる対立仮説が一体化するんだ。 一人の人間が右手と左手を動かすように。つまり左手が仮説を立て、右手が反論する。 両方を競り合わせることによって、議論をいくらでも加熱させることができる。 力を伯仲させておけば値崩れする心配もない。テーマにも業績にも困らない。 そして俺と"羊"がそのブレインになるんだ」 「何故拒否したんだ?」 時は死に絶えていた。死に絶えた時の上に音もなく雪が積もっていた。 「俺は研究のつらさが好きなんだよ。 きれいにロジックがまとまらない苦しさや、潤沢でない研究費を遣り繰りして捻り出す実験も好きだ。 うまくいかない実験や、それを乗り越えて結果を出す達成感や、レビュアーとのバトルや、そんなものが好きなんだ。 どうしようもなく好きなんだ。始め出すとキリがないサーベイや・・・・・・」 鼠はそこで言葉を呑みこんだ。「わからないよ」
74 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 19:57:57
面白い
75 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:56:39
76 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:56:46
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/12/13(火) 20:56:53
これはすごい
78 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:57:00
ワカラナスwwwww
79 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:57:06
ちんこ
80 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:57:40
81 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:57:53
マンコの存在を信じるか否か それが重要だと思う
82 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:58:40
うんうん、ピン子はいいよな
83 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:59:42
溢れ出る感じがいいよね
84 :
Nanashi_et_al. :2005/12/13(火) 20:59:47
>>73 「おにいちゃん、見ちゃ(ry」
のくだりは何回読んでも涙が出る。
>>75 どこにもそんなこと書いてないだろうがカス。
>>73 ワロスwwwww
たしかにこの場面は研究の世界にしっくりくるなw
このスレに書き込みしてる人って本当に理系のODとかのひとなのかしら?
87 :
Nanashi_et_al. :2006/01/22(日) 20:14:12
歴史の終焉という言葉の本意は、歴史主義(マルクス主義を含む)の開始された19世紀半ば以降の「歴史の終焉」という意味だとすれば、当然それ以外のそれ以降の歴史は存在することになる。
88 :
Nanashi_et_al. :2006/04/05(水) 07:50:32
ドラえもんが落ちた。
89 :
Nanashi_et_al. :2006/05/06(土) 04:02:06
よれよれ
1ヶ月どころか、2ヶ月近くも誰も書いてないのに なぜ落ちない? 僕は少し混乱している。 しかしageてしまうのには少しだけ 勇気といったものが必要なのかもしれない。 だから、僕は、sageることしかできなかった。 sage
91 :
Nanashi_et_al. :2006/09/10(日) 16:01:26
保
92 :
Nanashi_et_al. :2006/09/10(日) 18:21:14
やれやれ詐欺
「ドクターになるなんて、なんだか馬鹿みたいね」と彼女は言った。実験が終わると二人で器具をかたづけ、部屋に座ってワインの残りを飲んだ。僕が一杯飲むあいだに彼女は二杯飲んだ。 彼女はその日は珍しくよくしゃべった。学部生の頃のことや研究室のことや奨学金のことを話した。どれもとても長い話だった。
94 :
Nanashi_et_al. :2007/08/25(土) 22:55:35
羊についての研究 ニュージーランドだね 日本では畜産学科だ
95 :
Nanashi_et_al. :2008/01/08(火) 10:04:11
やれやれ
96 :
Nanashi_et_al. :2008/01/26(土) 13:25:49
1
97 :
Nanashi_et_al. :2008/02/24(日) 19:08:02
やれやれ
98 :
Nanashi_et_al. :2008/03/14(金) 02:09:20
かわいそうな、研究奴隷さん
99 :
Nanashi_et_al. :2008/03/15(土) 11:24:57
「あなたはもっと上手に踊るべきだし、もっと上手に踊ることが出来るわ」 彼女は猫を膝の上に抱き上げながらそう言った。
どうでもいいが13にわろた みんな、やれやれを使うのか。