【部落解放同盟犯罪史】

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38もっこす
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 9 市民を勇気づけた県民集会

 23日は勤労感謝の日。九州といっても福岡県は日本海型気候で、11月下旬はし
ぐれる日が比較的多い。この日も生憎のしぐれ。私は準備のため朝7時すぎにマイカ
ーで北九州の家をでた。天気さえよければ九州自動車道で、小郡の鳥栖ジャンクショ
ン出口まで一時間半で十分。だが、この朝は、途中四、五回強い雨足にたたられ、徐
行運転を強いられた。そのぶん余分に時間をくった。全国調査団との待ち合わせ時間
の10時ぎりぎりに西鉄小郡駅前広場につくはめになった。すべりこみセーフ。

 県民集会は午後1時から。全国調査団は、それまでの時間を市民への街頭宣伝にあ
てることにしていた。調査団は中野団長を先頭に四班にわかれ、それぞれ宣伝カーに
分乗、マイクとビラで真相糾明を訴える。まず、駅前広場で村崎勝利全解連本部副委
員長がマイクをにぎり、駅前周辺の商店街、市民に解同の教育介入の排除と教育の正
常化を力強く訴え、全国調査団代表のあいさつとした。このあと、四班の宣伝部隊は
いきおいよく小郡市内各地を街宣、真相の糾明を訴えまわった。

 午前中、氷雨は断続的にふった。いやな天気だ。実行委員会のメンバーは会場の設
営、駐車場の案内、駅前からの案内のプラカードの設営に走り回った。集会妨害を予
想して防衛部隊も氷雨を雨合羽に受け流し、ぬかりない。参加者にこころ強いばかり
だ。その間、氷雨は間断なくふる。無情の雨だ。演壇、議長団付近にテントが必要だ
ろう。しかし、準備が間に合わない。私たちはあわてた。よし雨天決行だ、傘をさし
てやるしかない。腹をくくった。

 「子どもたちと先生が安心して学べる学校教育を!」。会場正面に幅1,2メート
ル長さ8メートルの横断幕がかかる。メインスローガンのオレンジ色が、雨の会場に
あかるく映えた。そうする間に、雨はあがった。しかし風が冷たい。

 開会の一時。会場の東町公園に全解連、全教、共産党、市職労、民商など、各団体
の赤旗が林立。解同の教育介入を排して、子どもたちが自由にのびのびと勉強できる
当たり前の学校教育を小郡市で実現させたい。学校から人権を奪う解同の糾弾を排除
しよう。二度と校長自殺事件の悲劇をくりかえすな。その怒り、思いが悪天をついて
小郡市に県下、全国からの六百人の参加者となったのである。

 集会は各界代表あいさつ、政次県連書記長が、経過を粛々と報告したあと、小郡中
に子どもを通学させている父親が地元から報告した。この若い父親は、小郡中では解
放教育の結果、先生が同和地区の生徒になにもいえない状態になっていると学校現場
の荒廃を紹介。さらに「解同は差別が拡大、潜在化しているというが、自由にものが
いえない教育で新たな差別をつくっているのは解同です。今朝、子どもにこの集会で
学校のことを発言するがいいか?といったら『大丈夫、息子を信頼してくれ』と逆に
励まされた」と発言すると、会場から万雷の拍手。感動にむせぶ婦人、「ガンバロー
」の声がとんだ。それは小郡の解放教育にたいする怒りにかわった。

 集会はこのあと、「部落解放同盟の教育介入から子どもと教育を守る運動のよびか
け」として、小郡市と同市教委にたいして(1)二度とこのような事件を生まないた
め、真相と責任を明らかにすること(2)子どもの発言を「差別」として社会問題に
せず、学校の教育課題として処置すること(3)解同の教育介入をいっさい認めず、
教育の自主性を守る責任を果たすこと(4)解同の糾弾行為を認めず、これにいっさ
い協力・関与しないこと、の四点の要求を読み上げ、県民集会の名のもとに参加者全
員の拍手で採択、確認した。

 約一時間二十分にわたった真相解明県民集会の一部始終は、高性能のラウンドスピ
ーカーにのって市役所周辺の繁華街に流れた。小郡市民にとって、解同・解放教育批
判はタブーになっている。そのタブーを白昼堂々と破る県民集会が開かれた。解同批
判が一時間以上にわたって、繁華街にふりそそいだのである。解同タブーで閉塞した
小郡市民にとって、それは画期的なできごとだった。