【部落解放同盟犯罪史】

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30もっこす
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 2 現地合同調査活動

 10月20日。私たち調査団は午前10時に小郡市役所のロビーに集まった。昨日
までの集約では、参加人員は20人を割っていたが、当日、調査団は15団体、33
人に膨れあがった。報道関係者も『赤旗』、福岡民報、小倉タイムスから朝日、毎日
、読売など各社の記者で部屋があふれた。全解連本部からも急遽、村崎勝利副委員長
ら二人が福岡入りした。部落問題にからむ人権事件とあって全解連本部も、真相糾明
になみなみならぬ決意をしめしていることがうかがえる。小郡市や解同などは事件を
隠蔽にかかっているが、どっこい世論の関心はたかい。当然、調査団事務所で準備し
ていた経過報告などの資料は一瞬にしてなくなった。調査は、市議会の大会議室に変
更して行うことになったのである。

 調査団は午前中、市教委の福田大助教育長ら小郡市教委の三人から事実経過の説明
をうけた。福田教育長によれば学校で「差別事象」がおこれば、同和推進教員がまず
、解同支部に知らせ、校長は市教委に報告、校内の意見がまとまった段階で校長が解
同地協に正式に報告するシステムになっているという。小郡市では確認会、糾弾会は
当該学校の主催で行われ、教育長など関係職員が出席、行政代表として教育長が挨拶
をすることになっていることが判明した。今回の確認会に福田教育長は、県教委北筑
後教育事務所主事らとともに出席、参加者(33人)全員で、子どもの発言を「差別
事象」として確認したという。

 さらに糾弾会について教育長は「司会はゼッケンをつけた同推と運動団体役員。私
が行政を代表して挨拶をした。経過報告、問題提起は同推がおこない、地域の人が差
別のひどさを訴え、これに教員がこたえるかたちですすめられた。まとめは解同役員
(組坂繁之解同県連書記長)がした」と説明した。

 調査団から「教育の主体性」について質問がでた。福田教育長は素直に答えている
。後日のために録音テープをおこして記述しておく。

 福田「校内の問題は校内で解決するのが原則であるが、小郡市同和教育基本方針に
は『さべつの現実に学ぶ』としてあり、地域(解同)と連携することになっている」

 ・解決する前に、その日に解同に報告しているが・・

 福田「今回の場合、5月20日に校長から報告をうけた。できることなら学校で解
決するように指導したが、それがだんだんと・・・・そうできなかった」

 ・文部省の方針は学校の問題は、学校の主体で教育的に配慮して解決するとなって
  いるが・・

 福田「文部省の方針はきいているが、矛盾しないと思う。指摘の点を考えるなら、
改める点はあらためなければならない。運動団体の介入は教育については、させない
ように努力する」

 さらに廣木校長の自殺についても、福田教育長は「推測でものは言えないが、学習
会(糾弾会)と関連ないとはいえない。悩みは公的な悩みだったと思う」

 実直な福田教育長の説明にウソはない。私たちの調査と符号しているのである。同
教育長はこの直後、病気を理由に緊急入院して、私たちの前から姿を消した。緊急入
院は、小郡市当局や解同側の政治的配慮のにおいがする。教育長の口封じであろう。
正直にペラペラしゃべられたのではかなわんとの配慮から、病室に「封印」、面会謝
絶にしている。このことはまた、あとでふれたい。

 現地合同調査団の調査活動の報告にもどる。調査団はこのあと、午後は三班にわか
れた。小郡中グループと小郡小班、それに宣伝班。宣伝班は宣伝カーに全解連のビラ
千枚をつみこみ、西鉄小郡駅前と市役所を中心とした繁華街、一部は同和地区に入っ
て街頭宣伝とビラ配布。街頭宣伝にビラをもらいにくる市民の多いことに調査団はび
っくりした。ビラをくい入るように読む市民、ビラ配布の調査団のまわりにたちまち
人の輪ができて、路上でのミニ討論会が始まった。宣伝カーからの訴えに、市民たち
は「同和が原因と聞いていましたが、そうだったんですか」(男性)「校長先生は熱
心な先生だったのに残念なことをしました。ぜひ、真相をはっきりさせてください」
(高齢のご婦人)「ぜひ、真相を糾明してくれ。昔の教員仲間と話しあっている」(
元教師)。市民の関心は想像以上にたかく、現地にかけつけた調査団はいちように、
「小郡民主化」のたしかな手ごたえを感じとった。