筑豊の泥棒部落って都市伝説?

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小沢信男『犯罪紳士録』(1984年講談社文庫、絶版。現在は幻冬舎文庫から復刊?)の313〜314頁に詳しく書いてあるよ。

「瀬川徳次郎。福岡県田川郡下の、いわゆる泥棒村"藤ヶ瀬グループ"の長老。1971年(昭和46年)4月、一味12名を従えレンタカーで日本列島万引行の途中、青森で逮捕される。時に65歳。逮捕歴8回」
「伝承によればこの部落は明治末に大分より移り住んだ山の民で、大正期にスリの集団となり、徳次郎も少年時より技を磨いて成金どもの懐中をかすめた。(中略)再々の手入れには、相互扶助体制で堅固に維持し、部落180戸のうちスリ万引の前歴者123名、前科合計310犯、年商2億円といわれた。(中略)管理社会化のせちがらい世の中に『かつてこの村の中で犯罪が発生したことは1件もない。この村の駐在は日本一ひまなはずだ』(井出孫六)というこの美しい共同体の健在を祈るファンは数多い」
「ルポに加藤延之『実録泥棒大家族』、井出孫六「山を奪われた山の民」(『犯罪者たち』筑摩書房)」