誘拐殺人犯が罪も認めず野放しなてますです。

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脅迫状の練習の問題に関して、六六回公判における被告人の、検察官とのやりとりを次に引用する。
「何んで脅迫状を一生懸命にだね・・・」「脅迫状だか何だかわからなかったですよ」
「見ればわかるでしょう」「見てもわからないですよ。これ見て書けというから」
「読めばわかるでしょう。字は読めるでしょう」「字なんかわかんないですよ」
「字は読めなかったの」「そうですよ。だから自分が事件起す前に字がありますか。殆どないでしょう。東鳩(大野注。被告人が勤めていたことのある会社の名)にある早退届だって、人から書いてもらったのを写したんです。(中略)自分がこの事件起る前は自分が字を書くなんてことないと思いますね。早退届以外には」
「脅迫状のひらかなの部分も何かいてあったのかわからなかったというのか」「ええ、ただ夢中だったからね当時は、そういうのを書くのに。まして河本検事なんてすごかったからね。おっかなくて当審でも清水警部も述べてるけどね。毎日わら半紙に書かされたからね、殆ど。ただひとつね証拠として出てないのが不思議だと思うけれども、自分が漢字を習わされたような気がするんですよ。原検事は、自分が逮捕されて五、六日たってから、殆ど漢字ばかりだったようですね。それを書けといって、そうですねえ、それ二日問ばかり書かされたんですねえ。それがでてるわけなんですけれども、拇印押せというので押したんですけど、それも出ていないのが不思議なんです」
右の記録に関連して、被告人が勤めていた先の、石川茂夫妻の言葉がある。石川一雄氏が勤めていた期間、茂氏の夫人一枝氏が石川一雄氏に字を教えたということで、「ひらがなをいろはから教えたが、漢字には及ばなかった。役に立つところまではゆかなかった」ということである。
また、被告人は平仮名の「あ」の字をうまく書くことができなかったという。それについて次の記録があるので引用する(これは二審の三〇回公判において、中田弁護人の問いに対する答えである)。
「自分(被告人)は前はこういう『あ』という字を続けて書けなかったのです。書けないからかまわずへんな『あ』を書いちゃったら、こういうふうに書くんだと怒られました」
これは取り調べに当たった遠藤警部補に叱られたことを指しているものだ。
さて、右の供述の中から、次の諸点が注意される。
1、被告人は逮捕後、脅迫状を見せられて何回も書かされたが、脅迫状であることも十分認識できなかったこと。
2、書かされたのは漢字らしいが、それも十分認識できなかったこと。
3、当時の被告人は平仮名の中に書けない字があったこと(「あ」のごとき)。
4、特定の漢字以外(選挙の候補者名など以外)漢字は概して書けなかったこと。

国語学者、大野晋氏の説明です。大野鑑定をした人です。