「近親婚の繰り返しで断絶」=スペイン・ハプスブルク朝−遺伝学者
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090504-00000023-jij-int 【パリ4日時事】
中世から欧州各地を支配したハプスブルク家の
スペインの王朝(1516〜1700年)断絶について、
近親婚の繰り返しで発症する
遺伝子疾患が原因だった可能性が高いとの説を
同国の学者チームがこのほど、
米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表した。
スペイン・ハプスブルク朝最後の王カルロス2世(1661〜1700年)は
体が小さく病弱で内臓疾患や血尿に悩んだ。
2度結婚したが性的に不能だったとされ、世継ぎがないまま死亡。
仏ブルボン家にスペインの王座を渡す結果となる。
この王の16世代にわたる祖先や血縁者3000人の系図情報を基に、
スペインのサンティアゴデコンポステラ大学の遺伝学者らが
近親婚のリスク度を示す「近親交配係数」を計算したところ、
係数は初代カルロス1世の父親の0.025から代を重ねるごとに上昇、
カルロス2世では10倍の0.254に達した。
同王朝の結婚11例中9例は近親婚で、
カルロス2世も両親がおじとめいの関係だった。
頻繁な近親婚は劣性遺伝子を発現させやすく、
「2つの異なる遺伝子疾患(下垂体ホルモン欠乏症と
遠位尿細管性アシドーシス)の同時発症」が
カルロス2世を襲ったと遺伝子学者らはみている。