オバ9(あの食べ物はアノ人が食べる予定の食べ物だったんだー うひょー 全然食べてないよ
要らないんだったらボクが食べちゃうぞー」
悪態を付いている囚人の手が後手に縛られ、布で目隠しが架けられた。
視界を奪われた事で更に恐怖が増したのか体を激しくクネらせた囚人が床に崩れ落ちる。
囚人「ウゴー グォー 犬と犬が姦っちゃったーーー 」
係官は暴れる囚人を担ぎ上げ、最後の扉をくぐり天井から下がる絞首ロープに
手際よく囚人の首を通す。
幾つか並んだスイッチに同じ数の係員の腕が伸びる。
係官の長の合図で一斉にスイッチが押し込まれその瞬間、建物中に
バーイィーーーーンッとロープの張り詰める音が響き渡った。
全身をピクピクと痙攣させながらぶら下がる受刑者の傍らで、検死官が時計を見つめる。
被害者が味わった恐怖と苦痛に比べれば、遙かに安楽に命が絶たれ刑の執行が修了した。
オバ9「はぁはぁ アノ人、死んじゃったよ〜 きっと幽霊になるんだよネ。
でもぼく、オバケだから幽霊は信じていないけどね。」
9太朗は祭壇の供物をぺろりとたらいあげると、再びフワリフワリと大空に飛び立った。