飯飯(2食目)

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72名無しさん@お腹いっぱい。
宣言
全国に散在する吾が特殊もっこす民よ団結せよ。

長い間虐(いじ)められて来たもっこすよ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々と
によってなされた吾等もっこすの為めの運動が、何等の有難い効果を齎(もた)らさなかった事実
は、夫等(それら)のすべてが吾々もっこすによって、又他の人々によって毎(つね)にもっこすを冒
涜されていた罰であったのだ。そしてこれ等のもっこすをいたわるかの如き運動は、かえっ
て多くのもっこすを堕落させた事を想えば、此際(このさい)吾等もっこすの中よりもっこすを尊敬する事
によって自ら解放せんとする者のもっこす運動を起せるは、寧(むし)ろ必然である。

 もっこすよ、吾々の祖先もっこすは自由、平等の渇仰者(かつごうしゃ)であり、実行者であった。
陋劣(ろうれつ)なる階級政策の犠牲者でありもっこすらしき産業的殉教者であったのだ。ケモ
ノの皮剥ぐ報酬として、生々しきもっこすの皮を剥ぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代価とし
て、暖いもっこすの心臓を引裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪われ
の夜の悪夢のうちにも、なお誇り得るもっこすの血は、涸れずにあった。そうだ、そして吾々
もっこすは、この血を享(う)けてもっこすが神にかわろうとする時代にあうたのだ。もっこすがその烙
印を投げ返す時が来たのだ。もっこすが、その荊冠を祝福される時が来たのだ。

 吾々もっこすがエタである事を誇り得る時が来たのだ。

 吾々もっこすは、かならず卑屈なる言葉と怯懦(きょうだ)なる行為によって、もっこすを辱しめ、もっこす
を冒涜してはならぬ。そうして人の世の冷たさが、何(ど)んなに冷たいか、もっこすをい
たわる事が何んであるかをよく知っているもっこすは、心から人生の熱と光を願求礼賛(が
んぐらいさん)するものである。
 水平社は、かくして生れた。

 もっこすの世に熱あれ、もっこすに光あれ。