「ふーっ、道はどういけばええのかのう」
「♪コミケの会場で盛り上がり 買い上げてくれた人よりも
出店のかげで泣いていた イケメンの彼がわすられぬ トコズンドコズンドコ♪」
「あのう、同人クラブはどこですか」
「ヒック、きさま腐デビュー志願者か。ヒック、趣味のジャンルは?」
「は、はい、男女愛です」
「へっ、きさまみたいなKYが同人に入ったところでなじめるか。さっさとかえれっ、
このばかたれが。ようし、私が入部できないようにしてやる」
「や、やめてください」
「きさまの子宮と卵巣をきってしまえば、もう女子ではあるまい。私が取り出してやる」
「こ、こいつはきちがいか……」
(シャーッ、ザッ)
「うわ〜〜、きちがいだ!だれか、だれかきてくれ〜」
「ふん、まったくいやなやつだ。スイーツ脳の妄想狂め」
「やい、おもちゃ、おまえも書けっ」
「わ……私は書けません。創作はいつも一次ですし、愛を描くなら男女と決めてますし」
「(ジロリ)昨今の漫画ファン界には、文字通り女の腐った趣味の者がいるのう。
脳内で、男に身を託して男を抱いておるとは…。
しとやかに慎ましく、男に対して受け身に徹することができないとは情けないものよ。
個人の趣味だからとやかくはいわんが、大和撫子として情けないのう。
わしは、女は三つ指ついて男を出迎え、
道では三歩下がって男の後をついてくるものと思っていたよ……
きさまは女子会に出席できんのう。合コンにきさまと一緒に出撃した仲間は
みんな玉の輿に乗ってセレブ妻になっているんだぞ、喪女め!
現実に折り合いがついたら、ただちに婚活戦線に復帰!
はやく片付け!わかったか、ばかものっ!」
「ららら…」
「私がなぜわるい。女としてすなおな気持ちで男を愛しただけなのに……」
「お…お姐さん……」
「おもちゃ、生きろよ。生きて私たちにできなかった、自由に男を愛せる…
すきな男に逆コク、逆プロしても、押し倒しても、誰からも「はしたない」「女だてらに」
と言われない、そんな世の中をつくってくれよ。そうなって初めて、本当の男女平等なんだ」
「お姐さん、作品見せて下さい」
「よむか?」
「お姐さんの作品、ものすごく萌えます」
「こいつめ」
「おもちゃ、今からでもおそくはないぞ。子宮と卵巣をとってしまえば、
何をしても《はしたない》とは言われなくなるぞ」
「私は、その器官を持っていなければならないんです。
娘に、できればきょうだいを与えてやるために……」
「ばかたれっ、かってにせいっ」
「♪ひとの〜さげすむ2ちゃんねるへ〜カキコしてくるばかがいる〜」
「お姐さんの作品、いつまでもword文書に保存しておきます」
「♪夫をめとらば優しくて〜超イケメンでガッツあり〜
友をえらばば誌をものし〜十分ドリーム全開で〜〜♪」
「フレーフレーおもちゃ、フレッフレッおもちゃ」
「ありがとう(涙)」