死亡シーンに臨場感を与えるスレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加
210ドラクエ4、1/2
「いやだ!まだ死にたくない!!」
僕のあとをさっきから一台の馬車と数人の男たちが
追ってきている・・・!こんなことなら母さんの言いつけを守っていればよかった・・・。
彼・・・・はぐれメタルである彼は、母親から外出は極力禁じられていた。
まだ幼い彼にはその意味がわからなかった。
しかし、今になって身をもって実感することになろうとは・・・・。
数日前から、姿を見せなくなった母を心配し、捜しに出たあと
しばらくして見つかってしまった・・・・・。勇者たちに!!

「追え〜〜!絶対に逃すなぁ!!」
先頭をひた走る若者。彼が伝え聞く勇者・・・・らしい。
しかし、想像してた勇者像とは違い目は血走り、殺気を隠すこともなく
走ってくるその姿は、魔物のものとも人間のものとも違うように見える。強いて言えば欲望そのものの目・・・。
目は僕を一点に見つめている。親の仇を見つけてもあんな表情になるだろうか・・・?
馬車も、車輪が外れるんじゃないかというくらい凄いスピードでついてきている。

「いけ!!アリーナ!!」アリーナと呼ばれるこの女の子も、鬼気迫る表情で
こちらに迫る。鉄の爪がうなりをあげて僕の身体をかする。「チッ!逃げんな!オラァ!!」
一体僕が何をしたというのか・・・?「クソッ!だめか!ライアン!トルネコ!いけ!!」
勇者の号令とともに馬車から屈強な戦士が降りてきた。「まて〜〜・・ドゴッ!!」
商人風の男は勝手にこけて、見る見る小さくなっていく。しかし、戦士のほうは剣を振り上げ
襲い掛かってくる・・・!「拙者の〜〜剣の〜〜錆になれぇぇえい!!」
「カキン!!」僕の身体に少しひびが入ってしまった・・・。メタル族はあまり傷を受けてしまうと
最期には砕け散ってしまうという・・・。
211ドラクエ4、2/2:04/12/03 12:54:36 ID:???
そのとき振り返った僕は勇者の足元に見た・・・。母が縫い付けた
僕の顔のアップリケの入った幸せの靴を・・・・!そんな・・・・。
僕は、母さんの分まで生きなくては・・・!そんな思いを打ち消すかのように勇者が叫ぶ。
「ヤツをしとめろ!次!クリフ・・・あいつはいい!どうせザラキしか能がない!!
マーニャ、ブライ!!毒針だ!いけ!」
・・・・母から聞いたことがある。
「どんな硬いものでも針で決まったポイントを突かれると、一瞬で砕け散ってしまうのよ・・・。
毒針・・・・人間の使うこの武器を見たら逃げなさい・・・・」
その針が2本もこちらに向かってくる。じいさんの振った針は何とかかわした。
しかしその瞬間、後ろに鈍い痛みを感じた・・・・・!「やったわよ〜〜みんな〜〜!」
そのポイントを突かれたとき、僕の身体で何かが壊れた・・・!
「い、いやだ・・・・まだ死にたくない!!助・・けて・・・かあさ・・・」
その声が終わるか否かのそのとき、僕の身体は崩れ落ちた・・・・。
「やったぜ!!やっほ〜〜!俺、またレベルアップ〜〜!」
「キャー!私もよ〜〜クリフト、ブライ!!」

そして、平静を取り戻した勇者たちは去っていった・・・。勇者らしい顔つきに戻って・・・・。
きっとそれは、次の僕の仲間を見つけるまでは持つのだろう・・・・。